あしたの家族のつくり方

あしたの家族のつくり方 “As Cool as I Am”

監督:マックス・メイヤー

出演:サラ・ボルジャー、クレア・デインズ、ジェームズ・マースデン、
   トーマス・マン、ジェレミー・シスト、ジョン・テニー、
   アニカ・ノニ・ローズ、リス・コイロ、ウィル・ペルツ、
   マリオ・バタリ、ピーター・フォンダ

評価:★★




 そうか、「イン・アメリカ 三つの小さな願いごと」(02年)から10年以上経っているのか。愛らしかったサラ・ボルジャーがこんなに大きくなっても、何も不思議なことではないのだ。あの頃から子役らしからぬ落ち着いた佇まいだったボルジャーは、なるほどその気配を失わぬまま、最近の若手女優が持たないしっとりした空気をまとい始めている。『あしたの家族の作り方』はボルジャーが大人になる一歩手前の時期を切り取る。

 所謂機能不全の家族が描かれる。地味な片田舎、父は木こりで年に数回しか帰らず、母は夫の不在中に浮気に走る。表面上は普通でも、どこか普通とは違う家族。その中でボルジャーが成長していく。そう、これはカミング・オブ・エイジ ストーリーだ。大抵の場合、ヒロインは不幸な境遇に打ちのめされながら前進する。ところがボルジャー、あっけらかん、「私は私」と我が道を行く。既に出来上がった少女だ。

 シェフになるという夢がある。両親から受ける愛情は本物だ。自分を愛してくれる男の子がいる。そして自分もその男の子を愛している。キスやセックスも、たどたどしいながらも着実に経験する。ある展開があってボルジャーは母に告白する。「今日ふたりの男とキスしちゃった。破滅よ」。すると母は返す。「舌は入れたの?」。ボルジャーが否定すると母はさらに言う。「それなら破滅じゃないわ」。この会話が成立してしまうのがボルジャーだ。

 ただし、この頼もしさゆえ、その後の展開がちぐはぐな印象を残す。ある出来事をきっかけにボルジャーは、それまでのしっかり者ぶりが嘘のようにバランスを崩す。「何故そんな他愛ないことで…。いや、でもそれが十代の危うさなのだ」という視線が見えるものの、それをどう乗り越えるのかを描くのに、ボルジャーの物事を達観した匂いが邪魔をする。

 それにしても後半のボルジャーは前半とはまるで別人だ。急に子ども返りしたかのような、色情症になってしまったかのような、誠実さをどこかに落としてしまったような。まあ、彼女だけじゃないか。父は突然支配欲を誇示し、母は昔の男に狂い、家族という形態が見えなくなる。そもそも何故母の事情にそこまで深く立ち入るのか、よく分からない。クレア・デインズを配役できてしまったのが理由なのか。その身勝手ぶりにはボルジャーじゃなくても唖然呆然。

 呆然と言えば、ラストシーンに突然ピーター・フォンダが出てくるのに驚く。彼の役割は無理矢理話をまとめ上げることだ。ボルジャーが作った料理を食べながら、一緒にその未来を馳せる。料理が美味そうに見えるため丸め込まれそうになるけれど、何ともまあ、強引な力技だ。もはやボルジャーが気の毒に見えるだけの物語と化す。





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