ファンタスティック・フォー

ファンタスティック・フォー “Fantastic Four”

監督:ジョシュ・トランク

出演:マイルズ・テラー、ケイト・マーラ、マイケル・B・ジョーダン、
   ジェイミー・ベル、トビー・ケベル、レグ・E・キャシー

評価:★★




 超能力少年を主人公にした「クロニクル」(12年)を手掛けたジョシュ・トランクが、今度は超能力者四人組を中心に置いた『ファンタスティック・フォー』を撮る。誰の目から見て安易な人選だ。主人公が手にする力こそ似たところあれど、前者は破滅の色濃い残酷な青春劇、後者はあのマーヴェル・コミックを原作にするヒーロー映画。まるで性質が違う。

 四人のヒーローが登場する。能力に目覚めた彼らが全く魅力的に見えない。未知なるエネルギーが溢れる異次元世界プラネット・ゼロで事故に遭遇、能力に目覚めるまでが長過ぎるし、やっと超能力を手にしたと思っても軍事利用されるばかり。ようやく悪者と対決する頃には上映時間が30分を切っているというのは、一体全体どういうことだ。

 彼らは能力に思い悩む。Mr.ファンタスティックは友人や仲間を事故に巻き込んでしまったことに眉間の皺を寄せ、ザ・シングは「岩男な俺」ゆえに表情すら分からない。インヴィジブル・ウーマンは全てを諦めたような翳りをまとい、ヒューマン・トーチの脳天気な振る舞いも内に蠢く何かを抑え込んでいるように見える。DCコミック映画のような深刻な気配が過剰に煽られる。

 それゆえか彼らの能力が気持ち悪いだけに終わる。Mr.ファンタスティックの伸びた身体が最も分かりやすい。ぐにょぐにょしたタコ人間以上でも以下でもない中途半端な現実感が近寄り難いものを生む。ザ・シングは何かの皮膚病のようだし、インヴィジブル・ウーマンは手を広げてポーズをキメるだけ。ヒューマン・トーチは全身が炎に包まれてCGの化け物みたい。そう、CGが何故だか20年ほど前に逆戻りしたかのように安い。やたら光らせる一本芸。

 「クロニクル」と似た匂いを感じさせるところを無理矢理挙げるなら、同じく事故で怪物と化した仲間が地球で暴走する場面だろうか。研究所の従業員たちを次々血祭りに上げていくところ、もはや己をコントロールできない物哀しさが漂う。

 ヒーロー映画の基本は、観客が自分もああなってみたいと思い焦がれる、そこにある。ただ、この四人を見て自分を重ねられる人はどれだけいるだろう。力のある若手を揃えても、ヒーローの魂をどこかに忘れたキャラクターが思い悩む画の羅列では、そこに熱いものは宿らない。

 ところが!彼らは熱くなるのだ。クライマックスのバトルに驚く。それまでの深刻顔は何だったのかと問い質したくなる心境の変化を見せる四人が、一致団結、敵に戦いを挑む様。ギャグに走ったとしか燃えない突然のヒーロー宣言だ。ただし、熱くはなっても、相変わらず格好良くはい。ケレンに見向きもせずに勝負を賭ける四人が滑稽に見える。同じマーヴェル仲間のX-MENの面々に魅せ方のコツを習うが良い。





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