アントマン

アントマン “Ant-Man”

監督:ペイトン・リード

出演:ポール・ラッド、マイケル・ダグラス、エヴァンジェリン・リリー、
   コリー・ストール、ボビー・カナヴェイル、マイケル・ペーニャ、
   ティップ・“T.I.”・ハリス、ウッド・ハリス、ジュディ・グリア、
   アビー・ライダー・フォートソン、デヴィッド・ダストマルチャン、
   ヘイリー・アトウェル、マーティン・ドノヴァン、アンソニー・マッキー、
   クリス・エヴァンス、セバスチャン・スタン

評価:★★★




 ハリウッドを二分するマーヴェルコミックとDCコミックなら、やはりアベンジャーズがいるマーヴェルが良い。深刻の森で迷子になることなく、ヒーロー映画の魂を愉快に掬い上げてくれるからだ。そのアベンジャーズの世界へ新たなヒーローが参入する。『アントマン』だ。

 最大の特徴は、スーツを装着してボタンを押すと、あらら体長が僅か1.5センチになってしまうという点だ。身体が小さくなってしまう映画は珍しくない。「ミクロの決死圏」(66年)「縮みゆく女」(81年)「ミクロキッズ」(89年)が分かりやすいところだし、「スチュアート・リトル」(99年)なんかも小さなネズミの視点から見た物語ということで仲間に入れても良い。そう言えば、ウルトラセブンも小さくなっていた。

 ただ(セブンはともかく)、アクションに重きを置いた小さなヒーロー映画は『アントマン』が初めてだろう。身体が小さくなってもアクションのスケールが小さくならない。むしろイマジネーションを刺激する。人間の目から見れば他愛ないものが、小さな世界では大きな障害物として立ちはだかる。そこにあるユーモアとサスペンスを軽快に回収していく演出、実にテンポが良い。

 でもまあ、それだけだとその他の類似映画でもやっていることで、ここではアントマンの大きさが自在に変わるという変化球を投げることで画面に抑揚をつける。その状況によって小さい方が良いのか大きい方が良いのか、アントマンは頭を使って戦う。その効果か、思いがけないスピード感が画面に植えつけられた。アベンジャーズからゲスト出演するファルコンとの戦いや宿敵イエロージャケット(ごひいきコリー・ストール)との勝負はいずれも、小ささをものともしないユニークな画が並ぶ。

 それからアントマンをポール・ラッドが演じたのも大きい。登場済みのアベンジャーズ役者を眺めても、ラッドは異色。完全にコメディ畑の人で、しかもオッサン。顔がデカいのか身体とのバランスも悪い(ただし腹は割れている)。けれど、だからこそ彼にしか出せない朗らかな味が出た。敢えて言うならアイアンマンのロバート・ダウニー・ジュニアも似た匂いがあるものの、それでもダウニー・ジュニアは翳りも十分背負った人だ。ラッドの個性は完全に陽性で、それがアントマンの置かれている人生の危機的状況と絶妙の絡まりを見せる。マーヴェルもDCほどではないにしても深刻な方向に足を踏み入れつつあるので、ラッド版アントマンがアベンジャーズに入ることで、明るい表情を取り戻せるかもしれない。

 アントマンのマスクが悪役っぽいのは少々気がかりだ。ガスマスクみたいじゃないか?ラッドの恍けた顔をもっと拝みたい。同じマスクヒーローのアイアンマンだと、アクション場面でもダウニー・ジュニアの顔が意識的に挿入される。そういう工夫があっても良かった。それからアントマンが従えるアリたちが使い捨てのコマのように見えるのはどうか。アリと言えど、善玉ヒーローとして活躍すると、さすがに愛着が沸く。

 アントマンのいちばんの魅力は小さなものが大きなものをやっつけるところにあるだろう。その点、今回は敵も小さな世界の住人というのが物足りなくもある。同じ大きさで戦うと、小ささが目立たないからだ。次に登場するときは、アリがゾウを投げ飛ばすような(ファルコン戦のような)、そんな愉快な画がたくさん出てきて欲しい。何にせよマーヴェルは、頼もしい新ヒーローを登場させることに成功した。





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