キューティ・コップ

キューティ・コップ “Hot Pursuit”

監督:アン・フレッチャー

出演:リース・ウィザースプーン、ソフィア・ヴェルガラ、
   ジョン・キャロル・リンチ、ロバート・カジンスキー、
   マシュー・デル・ネグロ、マイケル・モズリー、リチャード・T・ジョーンズ

評価:★




 邦題が『キューティ・コップ』だからというわけではないけれど、どうせ芸がないなら警察版「キューティ・ブロンド」(01年)みたいにしてくれれば良かったのに。警官としての能力に欠けるリース・ウィザースプーン(もちろん役名はエル)が得意のファッション分野の知識を活かして(当然警官服もファッショナブルにお願い)、予想外の方向から快進撃を見せるのだ。そしてエリート気取りの輩の鼻っ柱をへし折る。リブートという体裁にすれば良い。

 けれど残念、おそらく作り手が狙ったのは「デンジャラス・バディ」(13年)の線で、ウィザースプーンとソフィア・ヴェルガラにはサンドラ・ブロックとメリッサ・マッカーシーのような愉快なケミストリーは生まれなかった。子犬のごとくぎゃんぎゃん喚いているだけの場面の連続。小柄のウィザースプーンとモデル体型のヴェルガラの並んだ画、これが全然面白くないのだ。

 もちろんこの並びは狙ったものだ。このふたり、同じ人間ですか?と聞きたくなるでこぼこした画を並べて笑い飛ばす計算。それならば物語が進むに連れ、このコンビでしか生まれないユーモアが弾けなければ嘘だろう。画の奇妙さ(と女優たちの喜劇センス)に頼ったコント的エピソードの羅列が画面の活気を奪う。結果ウィザースプーンはいつまでたっても堅物のちび女にしか見えないし、ヴェルガラが本来持っている大らかな魅力も浮上してこない。

 特にウィザースプーンは気の毒だ。警官のユニフォームが死ぬほど似合わないばかりか、ヴェルガラがすぐ傍にいるだけで「人生は不平等」だという事実を常に感じさせる存在であり続けるのだから。キャラクターの魅力が立ち上がらない平板な演出の煽りを受けたのだ。アクションに映えない肉体だということもよく分かる。

 バカバカしい場面は挙げればきりがない。コンビニでのドラッグトリップ場面。レズビアンのふりをしてキスをする場面。二人羽織風に鹿のモノマネをする場面。モーテルで取っ組み合いをする場面。バスで「スピード」(94年)ごっこに興じる場面。ウィザースプーンがジャスティン・ビーバーに変身する場面。笑わせようという気配が、もはや痛々しい。

 物語上のいちばんの欠点は、いつまで経ってもふたりの間に信頼関係ができない点か。互いを認め合う流れができていないので、後味が意外によろしくない。隙あらばウィザースプーンを裏切ろうとするヴェルガラの態度、ここに変化が出せていれば、まだ見られたかもしれない。焼け石に水か。





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