クレイジーズ

クレイジーズ “The Crazies”

監督:ブレック・アイズナー

出演:ティモシー・オリファント、ラダ・ミッチェル、ジョー・アンダーソン、
   ダニエル・パナベイカー、クリスティ・リン・スミス、ブレット・リッカビー、
   プレストン・ベイリー、ジョン・アイルウォード、ジョー・リーガン

評価:★★★




 ジョージ・A・ロメロ監督による「ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖」(73年)のリメイクだからというわけではないけれど、『クレイジーズ』に独創性と呼べるものは見当たらない。アイオワの田舎町の沼に細菌兵器を積んだ飛行機が墜落したことをきっかけに、気のふれた者が続出。いつの間にか町の異変に軍が介入し、感染者たちを隔離、細菌の封じ込め作戦を展開する。主役男女は細菌に侵された人々と軍の両方から逃げ惑う。うん、どこかで聞いたような見たような。

 独創性はない。しかし、つまらないかと言われたら、答えは否。ホラー映画、パニック映画のツボをきっちり押さえながら、実に冷静に物語が展開されていく。

 特に撮影の冷静さには大いに感心した。事態が急変しても、登場人物と一緒になって我を忘れるようなことはなく、静かで優雅な動きを守り続ける。大抵のホラー映画、或いはパニック映画は、カメラを闇雲に動かすことで恐怖や混乱を煽ろうとするのだけれど、そういう小手先の手法に走ることなく、状況の悪化によりヒタヒタとゆっくりと忍び寄るものを凝視している。田舎の風景を丁寧に捉えたショットが多いのも嬉しく、時に詩情さえ漂っているのには驚く。ヒロインが椅子に座り、その奥に作物畑が広がる美しい風景など、やけに目に焼きつく。ホラーなのに!

 話は前半が面白い。町に何が起こっているのかはっきり説明されないがゆえの恐怖、軍が一方的に入ってくるがゆえの恐怖、立ち向かうべき相手の顔が見えない恐怖がスマートに描写されていく。自分がどこに向かっているのか、どこに向かうべきなのか。手探りでしか前に進めない不安感や苛立ちが直に伝わってくる。空から俯瞰で登場人物を監視するコンピュータ画面の挿入も、気味が悪くてイイ。後半はゾンビ映画的要素が強くなり、それまでの緊張感が途切れることがある。傍にいる者たちに対して疑心暗鬼になるというのも、意図されているほどには効いていないか。

 メインの4人の職業が話に絡んでこないのは拍子抜けした。男たちは保安官で、女たちは医師だ。とりわけ医師という職業はもっと話に上手に組み込めたのではないか。メンバー間の駆け引きももうワンランク上の刺激を目指して欲しかった。

 保安官の助手役で「アクロス・ザ・ユニバース」(07年)で目をつけていたジョー・アンダーソンが出てくる。あのときとは打って変わってせせこましさを感じさせる佇まいなのに驚愕。チャーリー・ハナムもそうだけれど、綺麗なだけの役者と思われるのが嫌で、美貌を積極的に崩そうとしているのかもしれない。なんだか勿体無い。もうちょっと伸び伸びした役柄を手掛けて欲しい気がする。いや、巧いんだけどさ。





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