クーデター

クーデター “No Escape”

監督:ジョン・エリック・ドゥードル
新聞 戦争 戦車 ヘリコプター
出演:オーウェン・ウィルソン、ピアース・ブロスナン、レイク・ベル、
   スターリング・ジェリンズ、クレア・ギア
スマートフォン ヘッドフォン 家電 タイヤ 文房具
評価:★★★
アメリカ旅行 スタートレック ブロック



 オーウェン・ウィルソン演じるアメリカ男はジョン・マクレーン級に運が悪い。数年前に自ら運営する会社が倒産。出直して就職した企業の意向により、東南アジアのとある国に赴任させられる。妻子を連れて向かったその国で、到着して数時間後には『クーデター』が発生、外国人皆殺しを掲げた者たちの殺戮のターゲットになる。

 最初はまだ、余裕があった。ウィルソンが異変に気づくのは、新聞を買いに出かけた路地で、左から警官隊、右から暴徒に挟まれて身動きが取れなくなるのだ。咄嗟に何ができるか。思い出すのは懐かしの百人隊。「ウィルソン、逃げろ!」と呑気に声をかけたくなる。ところが、そこからは行き着く暇のない恐怖の連打。

 暴動の行動原理には、大国アメリカへの複雑な思いが敷かれ、実に生々しい。しかも描かれる暴力に妥協は見られない。ホロコーストか、はたまたルワンダ大虐殺かと呟きたくなるほどに過激。おそらく作り手は戦争映画として撮っている。なるほどこれほどやらなければ、現実感は出ないか。現実社会の戦争でハイテクがいくら前面に出ても、人を愚かな行為に走らせるのはその野獣性だと思い出す。

 ウィルソンの配役はおそらく、その庶民性が買われてのことだろう。典型的なテキサス男のウィルソンのスター然としない佇まい、それが観る側を物語の中に引き込む。ウィルソンは男たちの、その妻役レイク・ベルは女たちの分身だ。高い戦闘能力も武器も持たない庶民に何ができるのか。家族を守るため、遂にウィルソンが人を殺す場面が目に焼きつく。人が殺される場面より人を殺す場面の方がショッキングなのだ。

 ヘリコプターや戦車による庶民の攻撃場面、或いはビルの屋上に追い詰められたウィルソンが娘たちを隣のビルへ放り投げる場面等はリアリティという意味においてやや首を傾げるものの、何とか現実世界に踏み止まった。ただし、謎の男ピアース・ブロスナンの正体が明らかになる件は、空想感が勝った印象だ。ブロスナンが出てくると、ジェームズ・ボンドのイメージで何とかしてくれる気分になってしまう。ただし、ブロスナンがこの役を手掛けた理由は分かる気がする。ボンドに就任してからのキャリアに完全なる決着をつけたかったのではないか。

 家族の物語としてまとめられるのは、いかにもアメリカ映画だ。ウィルソンは妻と幼い娘ふたりと逃げ回る。この設定だけで絶望が深まる。言語が通じない。連絡手段がない。救援が期待できない。それなのに身軽に動けない。けれど、最後に救いとなるのも家族しかない。甘さを感じつつも、時代を遡ったような気配を漂わせたこの世界観の中では、それを信じたくもなる。





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