ダウト 偽りの代償

ダウト 偽りの代償 “Beyond a Reasonable Doubt”

監督:ピーター・ハイアムズ

出演:マイケル・ダグラス、アンバー・タンブリン、ジェシー・メトカルフ、
   ジョエル・デヴィッド・ムーア、オーランド・ジョーンズ

評価:★★




 ピーター・ハイアムズ監督作はとんでも映画になる可能性がとても高い。パッと思いつくだけでも「レリック」(97年)「エンド・オブ・デイズ」(99年)「サウンド・オブ・サンダー」(04年)…。大風呂敷を広げるだけ広げて、後は(確信犯的に)放り出してしまうことで笑っている映画ばかり。『ダウト 偽りの代償』は一見正統派のスリラーなのだけれど、案の定中盤以降、とんでも映画の様相を色濃くしていく。やっぱりか!

 ハッタリのカマし具合が強烈だ。証拠を捏造することで裁判で勝利し続けている検事を告発、出世を狙いたいレポーターが主人公。彼は「自分が殺人事件の犯人として逮捕されることで」、検事の尻尾を掴もうとするのだ。犯罪には犯罪を!と考えたのかどうかは知らないけれど、自ら身体を張って検事に挑む。どう大目に見てもボロが出るだろう計画で、予想通り窮地に追い込まれていく主人公を見ていると、あまりにもバカバカしくて偉い気がしてくるから不思議。

 そう、この映画はとんでも映画には違いないものの、珍作として認定しても良いような愛敬を持っている。そしてその愛敬は全部が欠点から来ているのが素晴らしい。ハッタリのイイ加減さはもちろんのこと、検事が主人公の事件を担当することになる件を始めとして偶然に頼るばかりの展開も、検事側の白昼堂々たる悪事っぷりも、警察の単純さも、そして何より大オチの脱力感も、なんだか全てがバカ狙いの計算に見えてくる。そしてまたハイアムズは笑っているのだ。得意気に!ちなみにこの映画、1956年映画のリメイクとのこと。マジかよ!

 主人公を演じるジェシー・メトカルフは、TVシリーズ「デスパレートな妻たち」でガブリエルに喰われてしまう高校生のイメージが強いからだろうか、ちっとも頭がキレるレポーターに見えない。もっと言ってしまうと、あの(良い意味で)あんぽんたん風の表情は、野心家というのに無理がある。ハイアムズもそう思ったのかもしれない。なんと中盤以降、彼は主人公の座を引き摺り下ろされてしまう!罠を仕掛けたつもりが、まんまと逆襲されたメトカルフは死刑を宣告される。もう彼にできることはないのだ。普通だとここで唖然呆然としたり、或いは絶望に打ちのめされたり、やけになったり、といったエピソードが挟まれるところなのに、それも気持ち良いほどばっさり切られている。太過ぎる眉毛が勿体無い。

 メトカルフが刑務所で何もできない間に奮闘するのはアンバー・タンブリンで、彼女だけがこの映画の収穫とも言えるだろう(ちゅーか、最後は彼女の話として終わる。さすが頓珍漢なハイアムズ)。決して美女ではないし、スタイルが良いわけでもない。しかし、老成した佇まいに味があり、愛する男を懸命に助け出そうとする様が愛らしい。ぷっくりした下唇と締まっていない二の腕が触ったら気持ち良さそう。胸元の開いた白シャツを着て胸を揺らしながら裸足のまま逃げ惑う場面もなかなかよろし。

 メトカルフが挑戦状を叩きつける検事に扮しているのはマイケル・ダグラス。はっきり言って、ダグラスに挑もうだなんて、メトカルフは大バカである。どの角度からも善人には見えないダグラスに一睨みされたら、それだけでメトカルフが失神してしまうのではないかと心配になる。ただし、ダグラスは全然活躍しない。身体を使ってメトカルフをハメようとするのは近しい者だし、裁判中の反撃の仕方も捻りというものが全くない。ちゅーか、出演時間自体が極僅か。ひょっとして15分もないんじゃないか?最近は楽な仕事で稼ぐばかりのダグラス、そろそろ本気の彼を観てみたい。





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