ビッグゲーム 大統領と少年ハンター

ビッグゲーム 大統領と少年ハンター “Big Game”

監督:ヤルマリ・ヘランダー

出演:サミュエル・L・ジャクソン、オンニ・トンミラ、
   レイ・スティーヴンソン、ヴィクター・ガーバー、
   マフメット・クルトゥルス、テッド・レヴィン、
   ヨルマ・トンミラ、リスト・サルミ、
   フェリシティ・ハフマン、ジム・ブロードベント

評価:★★★




 低予算映画が大作を装うと、その影響はまず、美術に表れる。大自然の中で撮影しているように見せかけてもセットだとモロバレだ。室内装置の安さが露わになることも多い。『ビッグゲーム 大統領と少年ハンター』でも室内を外の世界に見せる場面が目立つ。ホワイトハウス内の美術も実に寂しい。けれど、これがさほどマイナスにならない。

 まるで学生映画だ。しかし、熱の入った学生映画だ。作り手が目指したのはおそらく、80年代アクションなのではないか。近年はわざと80年代的な匂いを注いでアナログをアピールするアクション映画が多いけれど、それとは性質が違う。これが見せたいんだ!という確固たる信念を大切にして、もしかしたら迫力がなくなるかもしれないと承知しながら、手作りのアクションに賭けている。

 フィンランド上空、飛行機からの落下。ヘリコプターへの飛び乗り。白いボックスでの川下り。墜落した飛行機内での攻防。エアフォース・ワンの機能を使った大脱出。いずれも微笑ましいそれでありながら、愉快な気分を誘う。これは多分、配役が効いているのだろう。

 作り手がもうひとつ描きたかったもの。それは子どもとサミュエル・L・ジャクソンの組み合わせではないか。強面のジャクソンが大統領役というのも可笑しいけれど、戦闘能力がゼロに近いヘナチョコな感じが輪をかけて可笑しい。ジャクソンの余裕の喜劇センスが生き延びたいという必死さと結びつき、さらには子どもとの掛け合いの中にほのぼのとしたユーモアを浮上させる。ジャクソンを倒すには、なるほど、子どもをぶつけるのが正解かもしれない。

 ジャクソンの相手役を務めたオンニ・トンミラは、お世辞にも可愛い顔立ちではない。愛敬もない。ただし、ジャクソンと掛け合いを見せていく内に、いつしか精悍さに通じる何かを滲ませ始める。一人前の猟師になるための通過儀礼の真っ只中、自分を大きく見せようとはったりをカマしながらジャクソンと渡り合う。父の優しさに触れながら、同時に父も自分を信じていないと嘆くときの佇まい。媚びない演技にホッとする。

 まあ、話はさすがにもう少し練るべきだった。テロリストの作戦が単純過ぎるし、米国側に裏切り者がいるという展開もありきたり。ホワイトハウス内のキャストが充実している割に役不足が目立つし、続編を意識したようなまとめ方には首を傾げる。ジャクソンやトンミラのアクション的見せ場も、もう二つ三つあっても良かったのでは?気持ちの良い空撮を活かして、自然の大きさを強調した展開も見たかった。





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