ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール “God Help the Girl”

監督:スチュアート・マードック

出演:エミリー・ブラウニング、オリー・アレクサンデル、
   ハンナ・マリー、ピエール・ブーランジェ

評価:★★★




 スコットランド、グラスゴーの田舎町に、いかにも(少し前の)サブカルチャー好きの人々に愛されそうなアイテムが溢れる。少女は可愛らしい服を取っ替え引っ替え。透明で軽やかな音楽が次から次へ。映像は綺麗で、ちゃんと物語も存在する。『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』は画そのものに吸引力がある。

 少女を演じるエミリー・ブラウニングがウーパールーパー顔に磨きをかける。ちょいブサイクめの顔が可愛い可愛い攻撃が続く世界観にぴたりフィット。ブルネットのおかっぱが画面のアクセントになるし、身体が極端に小さいために顔の大きさとのバランスがおかしいのが、奇妙に目に焼きつく。ズバリ、キンタロー的。

 けれどむしろ注目したいのは、この世界で少女に出会ってしまった少年(いや、青年か)だ。ギタリストのイメージからかけ離れた彼の、ささやかなる人生への抵抗に、より魅了される。少女は彼に見つけられることで人生の可能性を見出すものの、彼は別に「彼女の救世主だった」みたいな大袈裟な存在ではないのが良い。冒頭、ライヴ場面でのドラマーとの喧嘩。メガネを外して繰り出すのが、パンチ!ではなくビンタというのがサイコー。へなちょこチリチリ頭メガネ男子の小さな奮闘がやけに沁みる。オリー・アレクサンデル、この後「King」へ辿り着くと考えると、感慨深い。

 実は拒食症やうつ病といった深刻な題材を扱っているのに、ほとんど暗くはならない。が、かと言って、それを軽く扱っているようにも見えない。そこがベル・アンド・セバスチャンの顔スチュアート・マードックの優れたところだ。彼は音楽の力をふんだんに用いて、インディーズの魂をポップに掬い上げる。

 そう、これは少女の旅立ちの物語であると同時に、ポップミュージックが生まれるまでを描いた音楽賛歌のそれでもある。少女が書き、仲間と共に歌い上げる曲の数々が、生々しくもきらきら輝く。少年はバンドというものは無意識に誕生すると言うけれど、なるほどその感じが良く出ている。

 それにこれは、グラスゴーへのラヴレターでもある。緑が優しい風景の中で、少年少女がもがく。そこに生きる人々。生まれる音楽。ささやかな恋心。世界から見れば他愛ないだろうそれを愛していることが伝わる語りだ。少々甘過ぎると思いつつ、つい絆される。





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