8月までに公開された作品の中でオスカーの可能性があるのは…? 2015

※この文章は、アカデミー賞専門サイトOSCAR PLANETのために書いたものの転載になります[先行公開]。




 春先にある噂が真しやかに流れていました。最大10本がノミネートされる作品賞が、以前のように5作品ノミネートに戻るというものです。アカデミーが作品賞候補枠を拡大したのは、近年指名を受ける作品が映画ファン以外にアピールしない(知名度の低い)映画で占められていたためと言われています。10枠拡大のきっかけとなったのが「ダークナイト」(08年)の冷遇だとする見方は依然根強いものです。

 それが何故5枠に戻されるという噂が出ることになったのか。最大10本に拡大されても大ヒット作のノミネートに繋がらなかったためというのが、多くのメディアの分析になります。とりわけ前回はメガヒット作品が「アメリカン・スナイパー」(14年)だけだったため、地味なラインナップに見えたのかもしれません。でもその前はどうでしょう。SFの「ゼロ・グラビティ」(13年)が旋風を巻き起こしました。アカデミーテイストではない「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(13年)が支持されました。「アメリカン・ハッスル」(13年「キャプテン・フィリップス」(13年)も大ヒットを記録しました。さらにその前ならば「アルゴ」(12年)「ジャンゴ 繋がれざる者(12年)「レ・ミゼラブル」(12年)「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」(12年)「リンカーン」(12年)「世界にひとつのプレイブック」(12年)が興行的大成功を収めています。もし作品賞候補が10枠でなかったなら、候補に挙がらなかった作品も出てくるに違いありません。

 作品賞候補の価値が下がっているのは…残念ながら否定できませんが、最大10枠の効果は少なからずあるように思います(10枠の恩恵を最も受けているのは、良質のインディーズ映画でしょうが…)。

 そして、10枠により賞レースシーズン前に封切られた作品のチャンスが拡大したのも間違いないところでしょう(第1位票を5%獲得する必要があるという規定は娯楽大作には厳しいものですが…)。近年はスクリーナーや配信を使ったキャンペーンも盛んになり、賞レース前に封切られた作品もアグレッシヴなそれが目立ってきました。上半期に一旦BUZZを盛り上げ、落ち着いた後、賞レースシーズンに再びBUZZを点火させるのも難しくはないのです。サマーシーズンに激賞を獲得した作品が仕掛けるべき作戦の鍵はそこにあるように思います。そして10枠を有効活用するのです。

 では、今年はここまでどんな作品が支持されたのでしょうか。今回は第88回アカデミー賞(主要6部門)が9月上旬に開かれたとしたらどうなるか考えてみました。対象は今年の1月から8月までに公開された作品となります。対象期間が短いので、作品賞は5作品を選びました。もちろん違う意見の方も多いでしょうが、それほど大差ないはずです。




◆作品賞
The End of the Tour(ジェームズ・ポンソルト監督)
インサイド・ヘッド(ピート・ドクター監督)*
ラブ&マーシー 終わらないメロディー(ビル・ポーラッド監督)
マッドマックス 怒りのデス・ロード(ジョージ・ミラー監督)
Straight Outta Compton(F・ゲイリー・グレイ監督)*

◆監督賞
ピート・ドクター(インサイド・ヘッド)
アルフォンソ・ゴメス=レホン(Me and Earl and the Dying Girl)
F・ゲイリー・グレイ(Straight Outta Compton)
ジョージ・ミラー(マッドマックス 怒りのデス・ロード)
ジェームズ・ポンソルト(The End of the Tour)

◆主演男優賞
ポール・ダノ(ラブ&マーシー 終わらないメロディー)
ジェイク・ギレンホール(Southpaw)
オシェア・ジャクソン・ジュニア(Straight Outta Compton)
イアン・マッケラン(Mr. Holmes)
ジェイソン・シーゲル(The End of the Tour)*

◆主演女優賞
メリッサ・マッカーシー(Spy)
キャリー・マリガン(Far From the Madding Crowd)
エイミー・シューマー(Trainwreck)
メリル・ストリープ(Ricki and the Flash)
リリー・トムリン(Grandma)*

◆助演男優賞
ジョン・キューザック(ラブ&マーシー 終わらないメロディー)
ポール・ジャマッティ(Straight Outta Compton)
ジェシー・アイゼンバーグ(The End of the Tour)
オスカー・アイザック(Ex Machina)
ニック・オファーマン(Me and Earl and the Dying Girl)

◆助演女優賞
エリザベス・バンクス(ラブ&マーシー 終わらないメロディー)*
ローズ・バーン(Spy)
クリステン・スチュワート(アクトレス 女たちの舞台)
シャーリズ・セロン(マッドマックス 怒りのデス・ロード)*
アリシア・ヴィキャンデル(Ex Machina)




 上半期のポイントは『インサイド・ヘッド』と『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でしょう。どちらも熱狂的な支持を獲得して、依然BUZZをキープさせています。今後強力作が次々封切られる荒波の中を潜り抜けることができるでしょうか。『マッドマックス』が作品賞候補に挙がれば、アカデミーが一気に見直される出来事になると思うのですが…。

 また、音楽ドラマ『Straight Outta Compton』も注目です。夏の終わりに突如打ち上がった特大花火。ヒップホップドラマの枠を飛び越えて、社会現象的人気と評価を獲得して、BUZZが急激に盛り上がっています。会員向けスクリーニングが稀に見る大盛況という噂も流れています。果たして、大凡オスカー好みとは言えないこの作品の候補はあるでしょうか。

 さて、この中から誰が勝ち抜けるでしょうか(* はその可能性が低くないコンテンダーです)。





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管理人本音
 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、本当に頑張ってくれー!シャーリズ・セロンが演技賞候補に挙がったら、感動するだろうなぁ。主演だと難しいと思うので、そこはキャンペーンを有効活用して助演部門で(いや、主演プッシュの気配が濃厚だけど)!なお、『マッドマックス』は編集賞候補にもぜひ挙がって欲しい。いや、ぜひ受賞して欲しい。
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