ミニオンズ

ミニオンズ “Minions”

監督:カイル・バルダ、ピエール・コフィン

声の出演:サンドラ・ブロック、ジョン・ハム、マイケル・キートン、
   アリソン・ジャニー、スティーヴ・クーガン、スティーヴ・カレル、
   ジェニファー・サンダース、真田広之、ジェフリー・ラッシュ

評価:★★




 確かに予感はあった。「怪盗グルーの月泥棒 3D」(10年)で初登場したときからミニオンたちは抜群の存在感だった。ユニークな個性を持ったバナナ風生物が、遂に完全なる主役となり、スピンオフ映画『ミニオンズ』をドロップする。

 …と言っても、当初彼らが持っていたシュールレアリスム(言い過ぎ?)の匂いはほとんど消え失せた。黄色の身体をちょこまか動かして惚けた行動を繰り返す、誰からも愛されるキャラクターとして、彼らは生きる。毒の効いた笑いは封印し、アニメーションらしい手の込んだ可愛いギャグを次々投下して生き延びることを選ぶ。

 実際、笑える場面はいくつもある。ミニオンの中でも三名が選ばれて次々騒動を引き起こす。一切、深刻にならないのが良い。「その時代に存在するいちばんのワルに仕える」というミニオンの習性を活かして、怪盗グルーに出会うまでの紆余曲折を物語化。…と言っても、ここにはディズニーの健全なメッセージも、ピクサーの大人がグッと来る考察も、ドリームワークスの捻くれた味も見当たらない。物語は全て、ミニオンのナンセンスな存在感を際立たせるために存在する。

 物語は後半、ほとんど暴走に近い。新しいボスとして目をつけた女怪盗に命じられてロンドンに渡ったミニオンたちは女王の王冠を狙う。アレコレあってももちろん最後は後味良くまとめられるのだけれど、アレコレの部分がやりたい放題。特殊グッズやら、世界中から集まるワル志望者やら、突然の巨大化やら…ミニオンの意味不明な存在を考えればこれも大いにありだろうと思いつつ、映画としての締まりは悪くなる。

 それよりもミニオンを「フォレスト・ガンプ 一期一会」(95年)風に動かして欲しかった。舞台はわざわざ1968年、ラヴ&ピースの時代に設定されている。当時を意識した描写もたっぷりある。でもそれが背景に終わっているのが勿体ない。もっと積極的に時代に首を突っ込み、あの出来事の裏でミニオンはこんなことをしていたのか、などと呆れさせて欲しかった。作中最も脇腹をくすぐられたのは、地下道からマンホールを開けて覗いたら「アビーロード」というギャグだもの。

 女ボススカーレットのデザインが良い。大きな外跳ねの髪も、狡賢そうな目も、細い腕や腰も、悪党にピッタリ。衣装もさりげなく凝っていて、とりわけ戴冠式に挑む際の腰をこれ以上ないくらいに絞った釣鐘型の赤色ドレスが最高。このまま「TANGO NOIR」でも歌って欲しい。もちろんミニオンたちにはバックで踊ってもらうのだ。





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