ライフ・アフター・ベス

ライフ・アフター・ベス “Life After Beth”

監督:ジェフ・ベイナ

出演:オードリー・プラザ、デイン・デハーン、アンナ・ケンドリック、
   ジョン・C・ライリー、モリー・シャノン、ポール・ライザー、
   シェリル・ハインズ、マシュー・グレイ・ガブラー

評価:★★




 若き怪優デイン・デハーンが至って平凡な青年を演じる。しかも喜劇だ。『ライフ・アフター・ベス』は最初こそそれに目が行くものの、次第に興味は別のところへ移る。ゾンビ娘を演じるオードリー・プラザが、あまりにも柄に合っているのだ。

 物語はハイキング中に蛇に噛まれて死んだプラザが蘇るところから始まる。一見普通の女の子だ。しかし、一度は墓に入った身。次第にゾンビらしく変貌していく。泥塗れになり、言葉が汚くなり、暴力的になり、支離滅裂な思考になり、動きがぎこちなくなり、遂には人を食う。プラザは決してブスではないけれど、ゾンビに近づけば近づくほど生き生きと見えるのが面白い。

 三白眼が効いている。黒目が小さいのではない。それは普通だ。ところが目全体が尋常じゃなく大きいため、黒目が小さく、その他の白目が広く見えるというトリッキーな目周り。これがゾンビ化粧に映える。綺麗にまとめてもどこか品のなさを感じさせる。アンナ・ケンドリックの清潔感と較べると、良く分かる。

 プラザを眺める分には愉快だ。けれどどうも、新種のゾンビ映画を謳うには、中途半端な印象だ。ゾンビが日常に溶け込むあたりは「ゾンビーノ」(07年)、ゾンビと人の恋をロマンティック・コメディで仕上げるのは「ウォーム・ボディーズ」(13年)、人の身体が別の生物になっていく過程は(ゾンビ映画ではないものの)「ザ・フライ」(86年)を思わせる。けれど、ここにはこの映画にしか見られない個性が見当たらない。

 せっかくデハーンやプラザらクセモノを集めたのだから、ロマンティックなホラーの線を突き詰めれば良かったのだ。「ザ・フライ」の側面を濃くする。男が愛すれば愛するほど、女の外見が崩れていく、その美しさと怖ろしさ、この面子ならば鮮やかに見せてくれたのではないか。それか、死んだ恋人のマフラーで自慰に挑もうとする男の捻くれた(?)一面を掘り下げても面白かったかもしれない。

 それなりに楽しい前半はともかく、広げた大風呂敷を畳めない脚本と演出の限界が露になる後半は厳しい。プラザ以外にも町中にゾンビを溢れさせるのが決定的に大味だし、家族を巻き込んだ暴走は別の物語のよう。わざわざケンドリックを出した意味は分からず、プラザの父(ジョン・C・ライリー)の隠れた一面を示唆しながら何の見せ場もないまま終わらせるのはどういうつもりか。意味深に退場したハイチ出身の家政婦の扱いなど、練り込み不足を象徴する。

 なお、この映画で最もギョッとするのはデハーンの生え際だったりする。額が広いことには気づいていたけれど、本当にこれは額と呼んで良いのか気になるデンジャラスな生え際。まあ、ハゲたらハゲたで怪優路線を極めれば良いか。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

blogram投票ボタン
blogram投票ボタン
人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ