パージ

パージ “The Purge”

監督:ジェームズ・デモナコ

出演:イーサン・ホーク、レナ・ヒーディ、
   アデレイド・ケイン、マックス・バークホルダー、
   エドウィン・ホッジ、リース・ウェイクフィールド

評価:★




 そもそもの設定からして無茶と言うかバカと言うか。『パージ』の世界では一年に一回、3月21日19時からの12時間は殺人が合法になるのだと言う。その時期の日本ならご先祖に大目玉を食らいそうな制度だけれど、どっこいアメリカが言うには、そうすることでその日以外の犯罪率が劇的に減るらしい。ガス抜き効果というやつだ。発想としては「ハンガー・ゲーム」(12年)に通じるものがある。が、ここには見世物小屋以上のものはない。

 理由は明白。恐怖の一夜にゲーム的側面しか見えないためだ。生か死、どちらかしか選べないのなら、大抵は生を選ぶ。まあ、普通だ。普通だけれど、普通のそれをエンターテイメントとして見せるなら、それを装飾するものがあってしかるべきだ。

 ここでは殺人そのものが装飾として提示されるに過ぎない。不気味なマスク(オードリー春日の鬼瓦風)を被った得体の知れない殺人集団が制度に乗っかり、銃弾を乱射し、斧を振り下ろす。その地獄絵図を娯楽として差し出す一本芸。

 しかも作り手はこの殺人ショーをサスペンスだと勘違いしているフシがある。どうやって殺すのか、という趣味の悪い発想を捻り出すことすら放棄し、人の死そのものにサスペンスを見ている。愚かだ。刺激されるのはアドレナリンではなく、人が虫けらのように殺される不快感だけだ。「バトル・ロワイアル」(00年)がマシに見える。

 それにしても主人公家族にちっとも肩入れできないのはどういうことだろう。母はいざというときに良心を前面にアピールするのが鬱陶しい。娘は親心が全く分からないあんぽんたん。息子は元はと言えば自分が悪夢の原因なのに純情顔を崩さない。父はあまりにお粗末なセキュリティシステムにより金を稼いだ張本人であり、説得力を欠いた同情できぬ主だ。せめてパニック・ルームぐらい作っとけ。

 息子が操縦するキューピーちゃんを改良したような偵察人形(なぜ半分焼け爛れている?)は…あれだけ意味あり気に動き回りながら、結局たいした活躍なし。邸が広過ぎて能力を発揮できなかったのか。まあ、この映画の「大きな家に住むものではない」という教訓を裏づけるにはOKかもしれない。





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