コングレス未来学会議

コングレス未来学会議 “The Congress”

監督:アリ・フォルマン

出演:ロビン・ライト、ハーヴェイ・カイテル、ダニー・ヒューストン、
   コディ・スミット=マクフィー、ポール・ジャマッティ、
   サミ・ゲイル、マイケル・スタール・デヴィッド

声の出演:ジョン・ハム

評価:★★




 物語の中に「幻覚剤」が出てくる。それを呑まされているような気分になる『コングレス未来学会議』。おそらく描かれる幻覚場面を気持ち良く感じられるのであれば、至福の映像体験が得られるのではないか。僅かに中毒性を感じなくもない。けれど、その幻覚剤が目や身体に合わなかった場合は…。

 幻覚剤の拒否反応は分かりやすい。どうにもこうにも絵柄が厳しい。幻覚の世界はアニメーションで演出される。これが…何ともまあ、取っ付き難いったらない。世界が崇めるジブリの画が教育機関が配布する書類に描かれた癖のないイラストでしかないとするなら、こちらは宗教団体が信者獲得のために熱心に手掛ける冊子のイラスト風。画の美しさに惑わされるということは一切なく、むしろ不快さを刺激する。サイケデリック…ではないよな。

 せっかく出だしが快調なのに惜しい。ハリウッド女優を主人公に置くところから始まり、もう若くもない彼女は映画会社の重役から「デジタル女優」への変換をオファーされる。彼女自身をスキャンし、今後はそのデータを基に、コンピュータによって作られた虚像が演技する。既に似たような手法を取り入れているハリウッドへの強烈な皮肉。

 しかも、話はハリウッド批判に留まることがない。さらに未来へと飛んだ物語は、ユートピアとディストピアの定義、現実と幻想との境界、アイデンティティーの問題へと変貌を遂げていく。逸脱と言うか、飛躍と言うか、かなり大胆な舵切り。ヒロインが自分を「ヘロインをキメたシンデレラ」と呼ぶのが可笑しい。

 そもそもロビン・ライトを主演に選ぶあたり、冴えている。「プリンセス・ブライド・ストーリー」(87年)で名を売り、「フォレスト・ガンプ 一期一会」(94年)で愛され、今現在も性格スターとして活躍を続ける、地に足が着いた女優だ。ハリウッドで最もオファーが多い女優と言われたこともあった。実写場面でライトが見せるしなやかな物腰の美しいこと。自分に自信がなければ難しいだろう設定も、身体に激情を封じ込た上で品良く体現している。

 色彩感覚も優れている。カイトの赤やスタジオ幹部との交渉の席での青や紫の鮮烈な効果はもちろん、画面全体が浮つくことのない色合いでまとめられているのが良い。

 だから、あぁ、繰り返すけれど、やはりアニメーション部分が無念だ。どこぞやの教祖が背後に見え隠れする絵柄に乗れないと、ファンタジーやSFのイメージを膨らませるカットもついていけなくなる。実写では描けない部分こそ、アニメーションの領域だというのに。まあ、単に好みの問題か。





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