クリスマスの贈り物

クリスマスの贈り物 “Black Nativity”

監督:カシ・レモンズ

出演:ジェイコブ・ラティモア、フォレスト・ウィテカー、アンジェラ・バセット、
   ジェニファー・ハドソン、タイリース・ギブソン、メアリー・J・ブライジ、
   NAS、ヴォンディ・カーティス=ホール

評価:★★




 『クリスマスの贈り物』はラングストン・ヒューズの戯曲を、舞台を現代に置き換えてミュージカル化したクリスマス映画。ヒューズは1920年代ハーレムで盛り上がったアフリカ系アメリカ人文化のムーヴメント“ハーレム・ルネッサンス”を牽引した人物だという。さぞかし芸術性豊かな世界観が広がるのだろうと期待するものの、あらら、やたら真面目な映画ではないか。

 それも真面目が過ぎて暗く重いイメージばかりが募るという不幸。貧困問題。雇用問題。立ち退き。ホームレス。窃盗。ドラッグ。銃。機能不全の家族。母子家庭。次々起こる出来事のキーワードの真ん中には、世の厳しさや不条理が横たわる。当然気分はどんどん沈む。

 けれど、これはクリスマス映画だ。最後には温かい気持ちに包まれなければならない。そこで担ぎ出されるのがクリスマスの精神というやつで、イエス・キリスト誕生の物語をベースに敷いた説教を持ち出し、何ともまあ強引に話をまとめ上げていく。たった数日の物語でそんなに簡単に数十年に渡る確執の物語が解決して良いのか。クリスマスはそんなに偉いか。そうなのか。どうなんだ。

 主人公の少年の母は父母と疎遠だ。どうやらその原因は過去に起こったある決定的な出来事に起因するらしい。少年が突き止めるその謎の平凡さもさることながら、だからと言ってクリスマスを理由に全てが和解に持ち込まれるのは、いくら何でも横暴ではないか。宗教が絡んだ映画はこれがあるから、苦手だ。許しなんて、もしかしたらこの世の中で最も難しい人間の行為かもしれないのに。

 ミュージカルの魅力も乏しい。ゴスペル、ポップ、R&B、ヒップホップ…サウンドに統一感がないし、役者によって歌い上げ方に差がある(ある者は声を張り上げるばかり。またある者は声を楽器のように操る)。クライマックスの教会でのゴスペルライヴはいちばんの見せ場のはずだけれど、フォレスト・ウィテカーの歌いながらの説教が目を引くだけに終わっている。

 それにしてもジェニファー・ハドソンの愛され方が目立つ。役柄の重要性以上に歌唱場面が多い。息子とは数日の別れなのに死別でもするかのようなムードで切々と歌い上げる冒頭で見せ場が終わったかと思いきや、その後も回想場面や夢の場面、そしてもちろんクライマックスと次々登場。「他の役者とはレヴェルが違うのよ」的勢い。まあ彼女の場合、歌わないと表情が乏しいだけで終わってしまうから仕方ないのかもしれない。もちろん役者として褒められるべきは、抑えた巧さを見せるウィテカーやアンジェラ・バセットの方だ。





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