ピッチ・パーフェクト

ピッチ・パーフェクト “Pitch Perfect”

監督:ジェイソン・ムーア

出演:アンナ・ケンドリック、レベル・ウィルソン、スカイラー・アスティン、
   アダム・ディヴァイン、アンナ・キャンプ、ブリタニー・スノウ、
   アレクシス・ナップ、エスター・ディーン、ベン・プラット、
   ジョン・マイケル・ヒギンス、エリザベス・バンクス、

評価:★★




 10名ほどのその音楽チームは全米一を目指す。有名楽曲をカヴァーする。マッシュアップがなされる。ソロがある。コーラスがある。振り付けがある。ダンスがある。衣装をキメる。チーム内の統率は難しい。ライヴァルチームは性格が悪く、かつ手強い。忙しい最中、けれど異性を意識することも忘れない。何回かの大会を経て、遂に彼らは決勝に辿り着く。これは「glee/グリー」(09~15年)の説明ではない。

 そう、『ピッチ・パーフェクト』に目新しいストーリーはない。作り手も端から「glee」の真似だと言われるのは承知だったのではないか。だから単に歌って踊るだけではなく、パフォーマンスに「アカペラ」という要素を注ぎ込む。そして、バックの演奏がヴォーカルパーカッションで補われる。人間の技とは恐ろしいもの、楽器で演奏しているとしか思えない音が次々登場。「ハモネプ」という言葉を連想してはいけない。多分。

 アカペラが完成されていく過程がじっくり描かれないのが不思議だ。主人公が属するような女子チームはアカペラに弱いのだという。女子は低音が出難いかららしい。なるほど。序盤でさらりと説明されるトリヴィア。アカペラも奥が深そうだ。…と身を乗り出すのに、フォロー一切なし。あら、がっくり。

 脚本が幼いということだろう。筋立てが全て読めるのは、まあ良いにしても、とってつけたようなエピソードの羅列(例:逮捕事件まで絡むヒロインと父親の関係。グループに入れなかった者の救済)や意味ありげに蒔かれた種の未回収(例:ヒロインのDJになる夢。ライヴァルチームのフロントマンの退場)には呆れる。音楽の魅力で全てを誤魔化そうとしているとしか思えない。

 パフォーマンスはそれこそ「glee」と区別が難しい。ヴォーカルパーカッションが巧過ぎて、いよいよ通常演奏と聞き分けられない不幸。選曲はベタを極め、各々分かりやすい見せ場作りは気恥ずかしい。観客の反応や解説ブースの心理誘導も全て教科書通り。「glee」スタイルはTVの小さな画面でないと厳しいと良く分かる。

 役者も魅力不足だ。一応キャラクター分けはなされるものの、本人の輝きが感じられない若手ばかりで、胸躍らない。スター性や配役の重要性を思う。例外はある。アンナ・ケンドリックは悪くない。無理矢理明るくしようとする演出に対抗するように、冷めたところからチームを眺めるのが効いて、かえって女優らしく見える。ただし、レベル・ウィルソンには負ける。自ら「太っちょ」と名乗る女の子の可笑しさと哀しさを、天真爛漫に、けれど嫌味にならないバランスで演じる。ウィルソンが映ると画面に花が飛ぶ。

 ベタでも良い。全て予定調和でも良い。それを極めるがゆえの快感も確かに存在する。この映画が目指すべきだったのは、まさにそれだろう。細部の描き込みを怠り、あっさり放棄してしまった映画だ。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

blogram投票ボタン
blogram投票ボタン
人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ