Mr.ゴールデン・ボール 史上最低の盗作ウォーズ

Mr.ゴールデン・ボール 史上最低の盗作ウォーズ “Gentlemen Broncos”

監督:ジャレッド・ヘス

出演:マイケル・アンガラノ、ジェマイン・クレメント、サム・ロックウェル、
   ジェニファー・クーリッジ、エクトル・ヒメネス、ヘイリー・ファイファー、
   ジョシュ・パイス、クライヴ・レヴィル、マイク・ホワイト

評価:★




 ジャレッド・ヘスと言ったら、カルト作となった「バス男」(04年)だ。メジャースタジオと組んだ「ナショ・リブレ 覆面の神様」(06年)で嫌なことでもあったのか、そのままメジャーに居座り続けることなく、原点に返るように低予算で撮り上げたのが『Mr.ゴールデン・ボール 史上最低の盗作ウォーズ』。しかし、予算を減らしただけでは演出勘は戻らない。ちゅーか、何コレ。無茶苦茶つまらないんですけど!

 思い返すと、「バス男」も演出力自体は褒められるものではなかった。では何が優れていたかというと、主人公のナポレオン・ダイナマイトのキャラクター造形に他ならない。見るからに間の抜けた容姿と言動ながら、揺るぎない「自分」というものを持って前に向かって進んでいく姿が、奇妙なまでに清々しかったのだ。それに演じるジョン・ヘダーが完璧に役にハマっていた。『Mr.ゴールデン・ボール』にはナポレオン・ダイナマイトに当たる存在が見当たらない。ヘンな人は次々出てくるものの、別に彼らからドラマが生まれるわけではない。つまりこの映画、ただヘンな人が出てくるだけ。

 ところが作り手は、ヘンなものさえ撮れば画面は持つと思ったらしい。弁当は生ニンジンだし、女は指マッサージで別の世界に飛んでいっちゃうし、ヘビ使いが守護天使だし、ウンコを挿入した矢が胸に突き刺さるし、突然銃撃戦になるし、ちゃっかり俳優になっちゃうし、またウンコの矢が胸に突き刺さるし…。もちろんこれはヘンなものリストの一部にしか過ぎず、これだけやればやってる方は満足だろう。一生懸命「ナンセンス」だとか「オフビート」だとか当てハマる褒め言葉でも見つけようとするも、やっぱりつまらない。小学生レヴェルのギャグ止まり。ストーリーらしいストーリーはなくて、ギャグの上に頼りなく乗っけられているだけ。

 エピソードの合間に差し挟まれるのが、主人公が書いたSF小説を映像化したものだ。ここで絶倫王ブロンコなる人物を演じているのが(そう、一見マトモな主人公は作品がヘンなのだ)サム・ロックウェルなのに驚愕。「月に囚われた男」(09年)と同時期にこんなことをやっていたなんて!ヘンな宗教の長のような風貌でキンタマを盗まれてしまう初登場場面から、実にバカバカしい展開を楽しそうにこなしている。なんか偉いかも。

 主人公の家のデザイン(とても可愛い!)以外に嬉しい気分になるのは、盗作絡みの話のオチだ。主人公を優しく大らかに見つめる母親の視線が、ここで効いてくる。人間の捨てたものではないところがジワジワくる。無理な笑いを並べるのではなくて、こうした人間性の可笑しさからくるものを膨らませていたら、きっと随分違った印象の作品になっただろうに。脱力する笑いを狙い過ぎて、かえって堅くなってしまった映画だ。





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