シグナル

シグナル “The Signal”

監督:ウィリアム・ユーバンク

出演:ブレントン・スウェイツ、オリヴィア・クック、
   ボー・ナップ、ローレンス・フィッシュバーン

評価:★★




 何よりもまず気になるのは、ブレントン・スウェイツのボーズ頭だ。いわゆるツルッパゲではない。ボーズの状態から一センチほど伸びたところで、一応「ヘアスタイル」の完成形のようなのだけど、どう優しい目で見ても中途半端だ。「ボーズは伸びかけがいちばん難しい」を実証する。スウェイツ、顔が良いのだから(若き日のイーサン・ホーク+ジョシュ・ハートネット÷2)、一分刈りでも十分似合うだろうに、あぁ、残念無念。

 そのスウェイツ、『シグナル』で大変な目に遭う。いきなり松葉杖を使わなければならない状態から始まり(おそらく一生)、遠くへ引っ越す恋人とぎくしゃくし、ハッカーにからかわれ、何者かに拉致され、そして…。物語の転調の具合が実に激しい。ふと思い出したのは、ブレイク前のクリス・ヘムズワースが出ていた「キャビン」(12年)だ。世間では傑作扱いされているのが不思議でならないアレ。

 けれど『シグナル』は「キャビン」ほどに転調の継ぎ目が乱暴ではない。全体を見渡すとはっきりする。いくら転調を重ねても、物語の軸に「疾走する青春」という(裏)テーマが頑丈に通っている。それこそ青春ドラマから始まり、ハイテクスリラーに転じ、B級ホラーに迷い込み、SFスリラーに変態し、でもやはりこれは、うん、青春ドラマだ。

 仄かに漂う破滅の匂いが効いている。どう転んでも全てが美しくまとまるとは想像させない危うさ。もっと言うと、死がすぐそこまで近づいているのではないかという不安が立ち込めている。それが短く儚い青春の空気と化学反応を起こす。

 とりわけ強い印象を残すのは、ある人物が思いがけない能力を発揮する場面だ。視覚効果の使い方、スローモーション、若者の激昂。フラストレーションの爆発。様々な要素が絡まり、何だかよく分からないけれど、これが青春というものじゃないか、と肩を叩かれている気分になる。いや、つい吹き出さずにはいられなくもあるんだけど。

 作り手はおそらく、映画マニアだろう。パロディにならない程度に遊びながら既存映画を連想させる場面をそこかしこに挿入している。画面の色合いなど、随分研究したのではないか。懐かしい気配もある。それがユーモアに絡むとなお良かった。それからヒロインの「覚醒」が「お蔵入り」されたのも気になる。まさか続編を意識したわけじゃないだろうけれど。





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