ブラックハット

ブラックハット “Blackhat”

監督:マイケル・マン
パソコンの壁紙を新しくする
出演:クリス・ヘムズワース、ワン・リーホン、タン・ウェイ、
   ヴィオラ・デイヴィス、リッチー・コスター、
   ホルト・マッキャラニー、ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン
シャツ ジョギング スニーカーとネクタイ 贈りたい
評価:★★★




 クリス・ヘムズワースが天才ハッカーに見えないのは欠点ではない。むしろ面白ポイントだ。マイケル・マンはヘムズワースをコンピュータ知識を具えた人間として見せることに、端から興味を寄せていない。ヘムズワース起用の理由は男臭いマンの世界にハマること、そして物語を支えるスケール持っていることに尽きる。それをクリアしたヘムズワースは、ヘムズワースのままでいれば良い。だってヘムズワースは目を覚ます度に半裸になりピカピカの身体をアピールするのだ。通常時もシャツの前を肌蹴ているのだ。刑務所でも壁を利用して難易度の高い腕立て伏せをキメるのだ。

 『ブラックハット』はマン映画らしく男たちの汗の匂いが濃い。電脳世界を大々的に取り上げながらしかし、それでもマンが信じるのは人間の肉体だ。男たちは身体を酷使することを厭わず、任務に身を捧げる。物言わぬやりとりには男だけにしか通じない言語が飛び交う。作中、最も熱い抱擁場面に女はいない。ヘムズワースとワン・リーホンの再会場面こそ、最も熱っぽい(同性愛の匂いは全くない)。

 マンはヤツらを夜の闇に溶かす。そう、黒く染まった夜こそ、マンの世界だ。近代化により、夜にも光は溢れる。それに照らされて闇に浮かぶ男たちを、マンは色っぽく撮る。この際、この闇がパソコンのディスプレイに映る画面と対比されているのに注目だ。

 大部分は香港の夜が舞台だ。賑やかで猥雑で、けれど路地裏に迷い込むと静けさも覗く香港の夜が、コンピュータの別の表情に見えてくる。男たちがそこでもがく。そのときの艶をマンは見逃さない。なお、ヴィオラ・デイヴィスはほとんど男のように描かれる。もしかしたら最初は男優のための役柄だったのではないか。

 もちろん闇には銃弾の音が似合う。音響に細心の注意が払われる画面。一発一発が夜の闇を引き裂く凄味を湛えている。弾の浪費に見えることはない。マンの美意識が細部に行き届く。

 終幕、マレーシア、インドネシアに飛ぶ必要はなかった。香港で事件を解決させなかったがために無駄に人が死んでしまうのが不愉快な上、ヘムズワースとタン・ウェイのロマンスがそれほどスパークしないのが目立ってしまった(タンは好演だが…)。熱量の低い逃避行だ。マンはやはり、男を描いてこその人。女を演出しようとしても、どうも表面的描写に留まる。





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