クレイジー・ドライブ

クレイジー・ドライブ “Stretch”

監督:ジョー・カーナハン

出演:パトリック・ウィルソン、エド・ヘルムズ、ジェームズ・バッジ・デイル、
   クリス・パイン、ジェシカ・アルバ、ブルックリン・デッカー、
   デヴィッド・ハッセルホフ、レイ・リオッタ、ノーマン・リーダス

評価:★★★




 導入部、酒とコカインとギャンブルに塗れる主人公が紹介される。交通事故で車の外に放り出されても無傷。それをきっかけに美女と結婚。一年楽しくやるも、女が金持ち男に走ってお別れ。やけくそで俳優になろうとハリウッドを目指し、けれど今はリムジンの運転手。簡単に言えば、ハチャメチャな人生、ハチャメチャな人物だ。名をストレッチと言う。

 『クレイジー・ドライブ』は借金6,000ドルを返さなければならないストレッチの一夜を描く。ストレッチに見合ったとんでもない出来事が次々起こる。ギャングもチンピラも警察もFBIも奇人も怪人も入り乱れる。この夜はマイケル・マンが描くようには色っぽくない。けれど、悪夢という言葉の枠に収まらない愉快な混沌が溢れている。ジョー・カーナハンはそれを炙り出すことに全てを捧げている。

 カーナハンは混沌を描くために、脚本を練り上げることを忘れない。目に残るのはぶっ飛んだ画の数々ではあるものの、細部に目を凝らせば全ては透明な糸で繋がっている。一見無意味でバカに見えることが、後々に重要な役割を担う。カーナハンはふざけながら遊びながら、同時に真面目に種を撒く。

 種はもちろん順調に育つ。亡霊が出てくるわ、強盗に遭うわ、借金取りから脅迫されるわ、ジェシカ・アルバがダサいわ、レイ・リオッタやデヴィッド・ハッセルホフに罵られるわ、リムジンを盗られるわ、銃弾を撃ち込まれるわ、指名手配されるわ…何ともまあ運がない。それでもなお同情心を抱かせず、それでいて嫌悪感をも抱かせないというのが面白い。パトリック・ウィルソンが思い切り弾ける。

 カーナハンはストレッチと一緒に、彼が乗るリムジンを話の軸に走らせる。どれだけ話が彼方此方に跳ねても飛んでも暴発しても、ストレッチとリムジンだけはぼろぼろよれよれになりながら燃料を切らさない。そうすることで無茶をする余裕を作り出し、闇鍋で終わる危険を回避する。これは案外上等の技だ。夜が明けたときに用意される、ストレッチへのプレゼントも気が利いている。

 ストレッチの悪夢を彩る人物の中で最も強烈な存在感なのは、もちろんクリス・パインだ。登場の度に仮装が異なることもあり、完璧に目立つ。演技もやりたい放題。何しろ初登場場面、空から降ってきて、髭茫々、髪茫々、タマも尻も丸見え、おまけに人間語を話しているのか理解不能。こんなのにつきまとわれたら、そりゃ悪夢にもなるだろうというぶっ飛び方。ノンクレジットなのはやり過ぎてキャリアが心配になったから…じゃないだろうな。いや、でもよくやった。ウィルソンとパインの掛け合いが、ドラッグでトリップしているかのようなくすぐりを映画に入れている。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

blogram投票ボタン
blogram投票ボタン
人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ