パレードへようこそ

パレードへようこそ “Pride”

監督:マシュー・ワーカス

出演:ベン・シュネッツァー、ジョージ・マッケイ、
   イメルダ・スタウントン、ビル・ナイ、パディ・コンシダイン、
   アンドリュー・スコット、ドミニク・ウエスト、ジョセフ・ギルガン、
   フェイ・マーセイ、フレディ・フォックス

評価:★★★




 ゲイ活動家グループが炭鉱労働組合に協力しようとする動機が腑に落ちる。1984年当時のイギリスはマーガレット・サッチャー政権。サッチャーが目指したのは大規模な炭鉱閉鎖案と同性愛排除で、つまりゲイグループは敵の敵は味方だという理屈から動き始める。この構図、シンプルにして実は、日常という極めて身近な場所で頻繁に見られるものだ。

 『パレードへようこそ』はゲイグループの炭鉱労働組合への支持表明から始まる出来事の顛末を、「ブラス!」(96年)「フル・モンティ」(97年)「リトル・ダンサー」(00年)のノリで描く。社会的に追い詰められた者たちが、情や仲間との繋がりがもたらす精神力、偏見をバネにした跳躍力を武器に、力を振り絞る。そこに人間の底力を見る。このパターンは、分かっていても気持ち良い。

 ただ、それに寄り掛かるのはワンパターンが過ぎる。だからできる限り個性的な登場人物を塗さなければならない。斯くしてアンサンブルが手際良くスケッチされる。強力なのはやはり、ゲイ側だ。アダム・ランバートみたいなスタイルで出てくるベン・シュネッツァーを始め、なかなかヴァラエティに富んだメンバーが揃う。個人的にはアンドリュー・スコットに注目する。TVシリーズ「シャーロック」(10年~)ファンとしてはひいき目で見る。

 それに比べると炭鉱側は迫力不足かもしれない。最初から理解のある人々にイメルダ・スタウントン、ビル・ナイ、パディ・コンシダインらクセモノ俳優を並べて安心してしまったのか、頑なに受け入れを拒否する者たちが説得力に欠ける。これは予想以上に大きなダメージを与える。何故か。

 同性愛排除、なんてものがいかにナンセンスかは、今という時代、もはや大抵の賢い人間は気づいているからだ。肌の色で差別するのと変わりない。もちろん今も差別はあるのだろうけれど、少なくとも未だに同性愛排除を公言する者たちが猿に見えるのは確かだ。いや、猿に失礼か。要するにここでは、もう少し骨のある同性愛反対論者を出すべきだったということ。

 ゲイ側の描き方にも引っ掛かるところがある。いかにもゲイ的なイメージの面子ばかりだったこと(もう少しゲイ要素を感じさせないキャラクターは出せなかったのか)、そして彼らの痛みがラストに向かって大きく膨らむカタルシスの材料に終わっていたことだ。まあ、それに囚われ過ぎると、軽妙な味が失われたかもしれない。難しいところだ。





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