ライフ・オブ・クライム

ライフ・オブ・クライム “Life of Crime”

監督:ダニエル・シェクター

出演:ジェニファー・アニストン、ジョン・ホークス、モス・デフ、
   ティム・ロビンス、アイラ・フィッシャー、マーク・ブーン・ジュニア、
   ウィル・フォーテ、チャーリー・ターハン

評価:★★




 1978年冬のデトロイトを舞台にした『ライフ・オブ・クライム』は恍けた映画だ。とある小悪党たちが富豪の妻を誘拐し身代金を要求するも、実は富豪夫妻は離婚寸前で、夫は金を払おうとしない。このオフビートな匂い、前にも嗅いだことがある。そう思ったら原作はエルモア・レナードではないか。しかも「ジャッキー・ブラウン」(97年)の前日譚にあたる小説の映画化になる。

 そんなわけで材料は揃っている。計画が思うように進むわけはなく、無駄口と逸脱を繰り返しながら、予想外の方向に転がっていく。いかにもレナード的なプロット。それなのにどうも活気づかない。暴力描写や血の量は抑えられているし、役者も出来の悪い者はいない。70年代のテイストも郷愁を誘って悪くない。それなのに何故。

 思い切り方が中途半端なのだ。無駄口が出てきても、予想通りの着地点で切り上げられるし、話が脱線しても、そこからさらに踏み込むことなく、後戻りして軌道修正をしている印象。レナードの世界観を壊すまいと気を遣っているようなのだ。

 例えば、誘拐される妻ジェニファー・アニストンには妻子を持った男ウィル・フォーテがつきまとっていて、彼女の誘拐現場に遭遇する。殴られてクローゼットに押し込まれる。果たして、フォーテはどう動くだろうか。期待は高まるというのに、フォーテはアニストンに付きまとっていることが露わになることを恐れて、ほとんど何も動かない。

 その他のキャラクターも意外に真っ当な思考回路の持ち主ばかりで、思いがけないスリルや可笑しみが生まれる瞬間がほとんどないのだ。生き残りを賭けてパワーバランスが目まぐるしく揺さぶられていく展開こそ、求められるもののはずだ。そして、それができて初めて、悪党のジョン・ホークスと誘拐されるアニストン、悪党のモス・デフと夫の愛人アイラ・フィッシャー等、無関係だった人間たちの間に化学反応が起こるのだ。

 アニストンは頑張った。クセモノがごろごろいる中、レナードの世界観に積極的に溶け込み、シットコム的な間合いではなくオフビートな間合いを物にした。だからこそ、惜しい。演じるキャラクターが別の表情を見せ始めるのが、クライマックスに近づいてからでは遅過ぎる。作品全体が何だか、レナードの小説を映画化したクエンティン・タランティーノ映画のイミテーションのようなイメージだ。





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