マジック・イン・ムーンライト

マジック・イン・ムーンライト “Magic in the Moonlight”

監督:ウッディ・アレン

出演:コリン・ファース、エマ・ストーン、マルシア・ゲイ・ハーデン、
   ジャッキー・ウィーヴァー、アイリーン・アトキンス、
   ハミッシュ・リンクレイター、サイモン・マクバーニー

評価:★★★




 毎年一本の映画製作を半世紀も続けているのだから、ウッディ・アレン映画が似たり寄ったりにするのは致し方ないところかもしれない。「マッチポイント」(05年)や「ミッドナイト・イン・パリ」(11年)「ブルージャスミン」(13年)等、変化球を投げれば思いがけないところに球は決まる。しかし、ロマンティック・コメディで直球を投げると、アレンがアレンを語るミットの中央からずれることがない。人はそれをマンネリと呼ぶ。けれどもそこはアレン、趣味の良さで乗り切ってしまうのだから、うん、やはり偉大な監督に違いはない。本人はそう呼ばれるのを嫌うだろうけれど。

 『マジック・イン・ムーンライト』など、いかにもアレンが好みそうなアイテムがてんこ盛りだ。皮肉に塗れたマジシャン。可愛らしくも胡散臭い霊媒師。1920年代。当時の車。スーツ。ワンピース。花飾り。ハット。森の中の邸。天文台。食器。椅子。深刻になりそうでならない人間関係。対立から始まる恋。止まらない悪態。真心。ハッピーエンドへのウインク。

 アレンは己の好きなものを得て、実に楽し気に愛を語る。常に喋り続ける男は完全なる理論派。皮肉たっぷりの言葉で他人の頬を突く。けれど皮肉を吐けば吐くほどに、見えてくる純真。女はあの世と交信する度にトリップ、嘘から生まれる真実に寄り添う。信じるのはハート。別の表情が見えてきても、それは変わらない。

 コリン・ファースとエマ・ストーンは親子ほど歳が離れているものの、アレンに選ばれただけあり抜群のケミストリーを魅せる。とりわけストーンが良い。20年代の華やかな衣装に身を包みながら、「不思議ちゃん」で終わらない、凛とした女の魅力を丁寧に伝える。

 ポイントは目だ。アン・ハサウェイやアマンダ・セイフライドら、ハリウッドには少女漫画のように大きな目をした女優が定期的に出てくるけれど、ストーンがその多くと違うのは所謂ネコ目であるところ。少女的な可愛らしさを具えながらも、夢物語にどっぷり浸かるほどには甘ったるくない。気まぐれに振る舞っても、行く先は気ままではない知性がある。しかも、その奥には真心が見えるのだ。

 概ねアレンの仕掛けるマジックが心地良い展開だけれど、「種明かし」がされるところには首を傾げる。アレンとしてはそこから先にまた、マジックを見たのだろうけれど、何と言うか、見え見えのマジックを見せられているような気配が僅かに漂う。種明かしを放棄して、かつ、更なるマジックを仕掛ける粋を見たかった。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

blogram投票ボタン
blogram投票ボタン
人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ