最高の人生の描き方

最高の人生の描き方 “And So It Goes”

監督・出演:ロブ・ライナー

出演:マイケル・ダグラス、ダイアン・キートン、スターリング・ジェリンズ、
   スコット・シェパード、フランキー・ヴァリ、パロマ・グスマン、
   フランシス・スターンハーゲン、アンディ・カール

評価:★★




 ロブ・ライナーが第一に目指したのは、マイケル・ダグラスを可愛らしく撮ることなのではないか。ピンクのハイソックス。サンドイッチの頬張り。ぬいぐるみとのツーショット。犬とのドライヴ。遊園地で笑顔。いかつい男から愛敬を引き出すのは、トミー・リー・ジョーンズの例もあるように案外難しいことではない。『最高の人生の描き方』のダグラスは、なるほど気難しいという設定の割に親しみやすい。

 それはひょっとすると老いと関係があるのだろう。と言うのもダグラス、ジイサンと呼ぶに相応しい年齢になり、父カークにいよいよそっくりになってきた。親子なのだから当たり前とは言え、整形色の強い目周りはもちろん、身体の動きが、老いてからのカークと瓜二つ。カークも老いてから丸味が出た。アクセントはスケベ心を忘れないところで、それが生来のギラギラ感、そして枯れてきた皮膚の性質と面白いバランスを作っている。ちょっとみのもんたに見えるときもあるんだけどサ。

 相手役のダイアン・キートンとのケミストリーは、今のダグラスだからこそ、上手く機能したのだろう。若い頃はダグラスのギラギラとキートンの清潔感が上手く調和しなかったと思う。そのキートンは首周りを隠す例のファッションスタイルを若干緩めた感があり、これが悪くない。首周りを見せる場面もちゃんとあるがゆえ、スカーフを巻いたとき、絶頂期のようにオシャレに見える。パンツルックは今も似合う。

 ダグラスとキートンのキス場面にギョッとするのは自然な反応だろう。肩までとは言え、肌を露出するふたりに若干の呻き声を上げつつも、まあやり過ぎてはいない。キス場面でキートンにメガネを外させなかったのはちょっと解せないと思いつつ、それで良かったのかとも思い直したり…。

 軽妙な芝居でロマンティック・コメディを楽しんでいるダグラスとキートンの足を引っ張るのは、センティメンタリズムだ。老いていよいよ涙腺が弱ってきたのか、ライナーは隙あらば湿っぽさを投入するのがいけない。動脈瘤。ガン。死別。流産。刑務所。ドラッグ。ジャンキー。引き裂かれる親子。孤独な少女。常にめそめそしているキートン。湿度を上げる要素は至るところに散りばめられる。

 ロマコメがお決まりの着地点に落ち着くのは悪いことではない。それでも最小限、主人公の心の変化には気を配るべきだろう。とりわけ偏屈だったダグラスが変わっていく過程が弱い。嫌われ者のダグラス、孫娘が現れたことでアッという間に好々爺に変身だ。キートンとダグラスが互いに惹かれ合うという流れも、極めて強引。ライナーは感傷と己のハゲ頭ではなく、人間が変わる瞬間に目を留めなければならなかった。





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