イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密

イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 “The Imitation Game”
メガネ コンタクトレンズ サングラス 目薬 眼科
監督:モルテン・ティルドゥム
クロスワード ハードディスク マウス キーボード
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、キーラ・ナイトレイ、
   マシュー・グード、ロリー・キニア、アレン・リーチ、
   マシュー・ビアード、チャールズ・ダンス、マーク・ストロング

評価:★★★★




 ケンブリッジ大学に勤めていたアラン・チューリングは1939年、政府から極秘の仕事を任される。チューリングが挑むのは「世界一難しいパズル」だ。人はそれをエニグマと呼ぶ。言わずと知れたナチス・ドイツによる第二次世界大戦用暗号機だ。チューリングはいかにしてパズルを解き明かすのか。『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』は同時に、謎に包まれたチューリング自身を解き明かす。

 チューリングが作り上げるエニグマ解読器が壁一面に広がる。いくつもの円盤状のダイヤル。複雑に伸びるケーブル。がたごと鳴り続ける振動音。デザイン性の一切が排除されながら、どこかロマンティックだ。そして物哀しくもある。日が切り替わる度に送られてくる解読内容を手掛かりに、チューリングは機械の精度を突き詰める。そして彼はそれを「クリストファー」と呼ぶ。

 チューリングという人は世間では変わり者に属するのだろう。人付き合いを嫌い、攻撃的・高圧的な態度を崩さない。協調性にも社会性にも乏しい。何がどうなって今の彼が出来上がったのか。学生時代と戦後を行き来しながら明かしていく脚本が上手い。世間が愛する「普通」というものへの疑問が投げ掛けられる。

 チューリングがまとう孤独が胸に沁みる。別に人間らしさを失っているわけではない。自らそれを選んでいるわけでもない。他人とは違う自分との折り合いをつけることに不器用で、それが誤解を生む原因になる。ベネディクト・カンバーバッチは他の誰でもないあの独特の顔と英国的な気品を具えた立ち居振る舞いの中に、抑圧の苦しみを封じ込める。自分が自分でいる意味を探し続けているかのようだ。エニグマ解読はその手掛かりになる。

 モルテン・ティルドゥム監督はチューリングゆえに生じる他人との摩擦を丁寧に観察する。心の拠り所となるキーラ・ナイトレイ。対立から信頼への移行を魅せるマシュー・グード。彼を排除しようとするチャールズ・ダンス。物事を背後から操るマーク・ストロング。チューリングにとって摩擦は時に優しく、時に厳しい。ティルドムは摩擦の中に人間の可能性を見ている。それは良い方にも悪い方にも転ぶ。その誠実さがある種の爽快感を感じさせる。

 暗号機が完成するまでの物語ではない。そこで終わるならば、映画は偉人伝になる。ティルドムはあっさり拒否する。チューリングは自分の才能を証明し、それでもなお満たされないものを抱えている。急所だ。彼が本当に欲しかったものの正体。願っても得られないそれを、ティルドムは今という時代の中にも見ている。小さなため息をつきながら。





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