子連れじゃダメかしら?

子連れじゃダメかしら? “Blended”

監督:フランク・コラチ

出演:アダム・サンドラー、ドリュー・バリモア、べラ・ソーン、
   ウェンディ・マクドレン=コーヴィ、ジョエル・マクヘイル、
   ケヴィン・ニーロン、ジェシカ・ロウ、テリー・クルーズ

評価:★★




 アダム・サンドラーとドリュー・バリモアは確かにお似合いのカップルだ。どちらも見た目が柔らかく、毒のある掛け合いに置かれてもその身体で気持ち良く吸収してしまう。サンドラー主演のコメディは多々あれど、恋愛要素が絡んだ場合、バリモアと一緒になったときこそサンドラーは輝く。そんなわけでふたりの共演三作目となるのが『子連れじゃダメかしら?』だ。

 どちらも若さが弾けていた「ウェディング・シンガー」(98年)から16年。サンドラーはオッサンになった。バリモアもオバチャンに近づいた。どちらも子持ち。無理のない設定だ。ふたりが一緒にいるときの安心感は変わらない。喧嘩をしていても嫌な気分にはならない。相性が良いというのはこういうことを言うのだ。

 腰回りがいよいよ頼もしくなってきたバリモアが笑いを積極的に取りに来る。ふざけた顔なんてお手の物。下ネタもどんどん受け止め、コメディアンのような身体を張ったギャグにも果敢に挑む。掴みのコントが、デートの際食べたオニオンスープが辛過ぎて壮絶に吐くというのだから、恐れ入る。見事に汚い。こういうことをやっても、角度によってベティ・デイヴィスそっくりになっても哀れに見えないバリモア、貴重だ。ただし、演出がそれに甘えて良いわけではない。

 サンドラーはバリモアほどに飛ばさない。茶々は入れても言動はおとなしい。時折表情に影も差す。夫の浮気が原因で離婚したバリモアと違い、サンドラーは死別したという設定。まだ立ち直れていないのだ。つまりサンドラーは感傷に接近する。それも何度も、だ。これが拙い。感傷はロマンスやコメディのスピードを鈍らせる。それに無視を決め込むため、物語が何度も躓く。

 どうやらこの映画、結婚の現実や悲劇に打ちのめされた子連れ男女にエールを贈りたいと思っているフシがある。付き合う相手を選ぶとき子連れは厳しい立場に置かれるという現実を突く。男親は娘の全てを分かってあげられない、女親は息子の全てに困惑するという寂しさもちらつかせる。結構なことだけれど、笑いに昇華させるほどに思い切りが良くない。中途半端な現実感が枷になる。サンドラーとバリモアを起用しているのだ。もう大声で笑うしかないというところにまで振り切った笑いを弾けさせるべきだろう。

 重要な舞台として出てくるアフリカの描き方もどうなのか。アフリカと言ってもメインの舞台は豪華ホテル。部屋はゴージャスそのもので、運ばれてくる料理も一級品。娯楽はたっぷり揃い、観光に出ればいかにもアフリカな動物たちがこんにちは。ウェルメイドな作りにしようという狙いが見え見えで、生温い。思い切って砂漠に置き去りにされててんてこ舞い、ぐらいのバカ設定が欲しい。

 気持ち良かったのはサンドラーの長女だ。ベラ・ソーンが演じる。男のサンドラーに育てられたゆえに少年のような立ち居振る舞いにファッション。それがバリモアに出会うことにより女らしく大変身する。変身前も変身後も実に愛らしい。彼女をもっと大きく取り上げても良かった。





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