パーフェクト・プラン

パーフェクト・プラン “Good People”

監督:ヘンリク・ルーベン・ゲンツ

出演:ジェームズ・フランコ、ケイト・ハドソン、トム・ウィルキンソン、
   オマール・シー、サム・スプルエル、アンナ・フリエル

評価:★




 これはひょっとして「シンプル・プラン」(98年)を参考にしたのだろうか。生活の苦しい人々が訳ありの大金を発見、運命を狂わせていく。もちろん大雪は出てこないし、妻は「マクベス夫人」でもない。当然監督はサム・ライミではなく、あらら、皮肉も笑いも丸っきり無視される。『パーフェクト・プラン』は設定こそ「シンプル・プラン」風だけれど、仕上がりは志低いB級アクションだ。

 気が滅入るのは作品を覆う陰鬱な空気だ。シカゴで事業に失敗し、心機一転ロンドンに越してきた夫婦が主人公。ぼろぼろの家。軌道に乗らない仕事。恵まれない子ども。時折のスシ・ナイトが日々のオアシス。光熱費が払えず、遂には退去命令まで出される。彼らに絡むのがドラッグの売人やら悪徳警官、犯罪グループのチンピラで、どの方角を向いても景気の好さとは無縁だ。それをロンドンの空がダメ押しする。この陰鬱な空気を動かそうという気配が感じられないのが問題だ。

 地下室の間借り人が突然死し、残された大金を夫婦が発見する。警察に届けることなく、自分たちで頂戴してしまい、悪者たちに命を狙われる。主人公たちが窮地に陥るのは自業自得だから別に構わない。ただ、やっぱり死ぬのは嫌だとアッという間に警察に助けを求めるのは意気地がない。自分たちの力で何とかしようともがくところに生まれるサスペンスがあっさり放棄される。

 この夫婦には計画性というものがない。誰もが抱える心の弱さを具現化した存在と呼ぶには一体感を抱き難いふたり。なんとそれをジェームズ・フランコとケイト・ハドソンが演じる。華のある彼らが何故。トム・ウィルキンソンやオマール・シーまで出てきてびっくり仰天。この話のどこに惹かれたのか、問い詰めたい気分。

 出てくる俳優たちは皆、痛い思いをする。腹にナイフを突き立てられたり、アスファルトの上で転倒したり、銃弾を撃ち込まれたり、階段から転げ落ちたり…痛いことをサスペンスがあると勘違いした描写が散りばめられる。その集大成として到達するのがクライマックスの、あばら家での攻防なわけだ。

 金がなくて修繕が進まないあばら家で夫婦は敵を迎え撃つ。ほとんど作戦らしい作戦を立てないふたりは、これまでのお返しとばかりに痛い仕打ちを敵に畳み掛ける。身体に何かが刺さったり、或いは身体を何かが貫通したり…という際の苦悶に拘る。実に悪趣味だ。ユーモアを意識的に排除し、痛みを追求する意味はどこにある。せめてアクション・コメディにしてくれていたら、寛容な気持ちになれたかもしれない。見習うべきは「ホーム・アローン」(90年)だった?





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