もしも君に恋したら。

もしも君に恋したら。 “What If”

監督:マイケル・ドース

出演:ダニエル・ラドクリフ、ゾーイ・カザン、ミーガン・パーク、
   アダム・ドライヴァー、マッケンジー・デイヴィス、
   レイフ・スポール、サラ・ガドン

評価:★★★




 友達同士の男女がいつの間にか互いを好きになる。映画でも現実でもよくある出来事だ。至るところに散らばっている。ロマンティック・コメディにおけるこの定番の設定に、だからと言って楽しい空気を持ち込めないかというと、それはまた別の話。『もしも君に恋をしたら。』はそれを証明する。

 トロント、一年前に別れた恋人の留守電のメッセージを未だに聞き続ける青年と出世街道まっしぐらの恋人を持つ女。どちらも繊細な心の持ち主で恋には奥手。互いに好意を持っていることは明らかなのに、友達として会うだけで満足を決め込む。傍らにいたら、つい意地悪したくなるタイプのふたりが可愛らしい。ダニエル・ラドクリフとゾーイ・カザン、キャスティングがぴたりとハマった。

 特にラドクリフは意外な大健闘ではないか。子どもからいきなりオッサンへと変貌して驚かせていたこのところのラドクリフが、ここではしっかりと「青年」だ。ハリー・ポッターがそのまま素直に大人になったような立ち居振る舞いの中に、女と同様に傷つきやすい男心を常に感じさせる好演。そこに若者の匂いを感じさせるのが良い。自信なく、きょろきょろおどろどした目がポイントか。

 所謂美人タイプではないカザンも、マシュマロのように柔らかな存在感により画面を温めることに成功する。根が真面目ゆえに自分の気持ちに気づかないふりをしようとする愚かさを愛らしく見せる。あまり身長の高くないラドクリフとの相手役としても無理がない。身長差のほとんどない小さな恋が震える感じが良く出たのは、ふたりのケミストリーによるところが大きいはずだ。

 このふたりとは対照的に本能のままに愛し合うカップルを演じるアダム・ドライヴァーとマッケンジー・デイヴィスも良いアクセント。ドライヴァーとラドクリフの身長差が画面に愉快な蹴りを入れるし、ドライヴァーがラドクリフに「恋愛の基本は100%の正直さだ」(後に99%に訂正)と意外にまともなアドヴァイスを贈るのも可笑しい。ドライヴァーとデイヴィスの悪戯でラドクリフとカザンが素っ裸で寝袋で寝るハメになるエピソードは、視覚的にも物語の転換という意味でも面白い。

 カザンの職業がアニメーターゆえだろう、画面の彼方此方にアートの遊び心が飛ばされている。突然動き始めるイラスト。デザイン性溢れる人形。クッションに載った画。カザンのタトゥー。時折幻想的な空気が漂うのも悪くない。

 勿体なかったのは主役ふたりの恋の障害となるそれぞれの恋人、元恋人が紹介程度で済まされたこと。カザンの恋人は良い人以上のものはなく、ラドクリフの元恋人は顔見せ程度で終わる。よって物語の大半がラドクリフとカザンのもじもじいじいじで占められる。慎ましいというより単調に見えるときがある。それからラドクリフの姉と甥っ子が出てきた意味もよく分からないままに終わってしまった。あと数回程度、脚本の推敲が必要だったかもしれない。





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