ラブストーリーズ コナーの涙

ラブストーリーズ コナーの涙 “The Disappearance of Eleanor Rigby: Him”

監督:ネッド・ベンソン

出演:ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャステイン、シアラン・ハインズ、
   ビル・ヘイダー、ニナ・アリアンダ、ヴィオラ・デイヴィス、
   キャサリン・ウォーターストン、イザベル・ユペール

評価:★★




 『ラブストーリーズ コナーの涙』が特殊な映画だということは、ひとまず忘れる。分かっているのは、幼い我が子を亡くした若い夫婦の物語であり、それを夫の視点から描いていることだけだ。

 物語が始まったとき既に、子どもは死んでいる。当然空気は重苦しい。いくらか時間は経過しているのに、夫コナーも妻エリナーも悲劇を乗り越えられていない。簡単に受け入れられる出来事ではない。はっきり同情する。けれど、その陰鬱なムードで最後まで引っ張られると、薄情にも、さすがに付き合いきれないと思う。

 どうやら作り手は「男は女々しい生き物」だという概念を念頭に置いているようで、コナーの佇まいはいつまで経っても息苦しい。友人に甘えて怒りをぶつけ、消えた妻をストーカーのように追いかけ、それでいて父には見栄を張って強がりばかり。作り手のコナーに対する慈しみが足りない。

 ジェームズ・マカヴォイがコナーを演じる。少し前から始まったオッサン化は止まらず、ふむ、ここでも立派な中年男だ。いつもよれよれのシャツとパンツ、顔が痣だらけなのが可笑しい。ただ、何かに縋るような目は依然魅力的だ。エリナーに扮したジェシカ・チャステインとの相性も悪くない。

 ただし、いちばん目に残るのは、父シアラン・ハインズとの場面だ。ハインズはつまり孫を亡くし、しかも再婚相手の若い女にも逃げられた直後。揃って寂しい父と息子がレストランで人生をしみじみと語る。流れ星を絡めた父の教訓話が出てくる件は、コナーが思うようにベタだと承知しつつも、ついホロリ。親子であると同時に、男同士でもあるふたりならではのぎこちなさが良い味だ。

 夫コナーの視点からの物語の中、妻エリナーは身勝手な女に映る。哀しいのは自分ばかりだと悲劇に酔っているように見える。コナーへの態度は八つ当たりにしか見えない。チャステインの力を持ってしても、だ。では妻の視点から物語を見た場合はどうか。答えは「ラブストーリーズ エリナーの愛情」にあるのだろう。そう、これは同じ物語を夫と妻、別々の視点から描いた二部作の一編なのだ。なかなか面倒臭いことをしてくれる。





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