トレヴィの泉で二度目の恋を

トレヴィの泉で二度目の恋を “Elsa & Fred”

監督:マイケル・ラドフォード

出演:シャーリー・マクレーン、クリストファー・プラマー、
   マルシア・ゲイ・ハーデン、ウェンデル・ピアース、
   ジャレット・ギルマン、エリカ・アレクサンダー、
   クリス・ノース、スコット・バクラ、
   ジョージ・シーガル、ジェームズ・ブローリン

評価:★★★




 大抵の場合、子どもは可愛い。けれど、おじいちゃん、おばあちゃんが可愛いこともある。上から見下ろして可愛いというのではない。本当に可愛らしいのだ。『トレヴィの泉で二度目の恋を』のシャーリー・マクレーンとクリストファー・プラマーはどちらも可愛い。敬意を表して、可愛らしい。

 実はこの映画、新しいところは何ひとつない。アパートのお隣さんになった老男女が恋に落ちるだけの話で、しかも全ては予定調和のままに進む。しかし、偏屈でも可愛いおじいちゃんと虚言癖があっても可愛いおばあちゃんが、そんなことどうでもいいじゃないかとご機嫌にドタバタを繰り返すので、ホント、細かなことは「さほど」気にならなくなる。

 やはり配役が大きいのだろう。どちらも眺めが良い。スラリとしたプラマーは立ち姿が美しい。手の指は長くて綺麗。マクレーンは若い頃のイメージを失わないままに歳を重ね、しかも動作がきびきび。レジェンド同士のケミストリーもばっちりだ。キスシーンまであったのにはギョッとしたけれど。

 キャラクター作りのポイントは女にある。イタリア映画「甘い生活」(60年)の大ファンで、壁にポスター、夜にはDVD鑑賞。トレヴィの泉でアニタ・エクバーグのように水を浴びるのが夢という女。彼女はエクバーグ演じるシルヴィアの分身であり、その行動原理の裏側にはシルヴィアがいる。ただ、調子に乗ってオマージュの域を踏み越えてしまったように見えなくもない。

 「甘い生活」の泉の場面を再現するべくローマを訪れるのがクライマックスだ。この場面は「甘い生活」のマルチェロ・マストロヤンニとエクバーグと、「甘い生活」を真似たプラマーとマクレーンが、モノクロのまま交互に映される。再現のためには白い子猫とミルクも用意。マクレーンはエクバーグと同じタイプのドレスだ。何と言うか、その「ホンキ」が過ぎて、怖い。はっきり言うと、悪乗りに見えるのだ。これは作り手のセンスの問題だろう。

 少々感傷に流され過ぎた気もする。老人を主人公にすると、安易に死の匂いがちらついていけない。プラマーとマクレーンの演技はそれを頼もしく拒否する。すると、それに負けまいと作り手が感傷の色を強める。無駄な抵抗ではないか。ロマンティック・コメディは無理に湿っぽくする必要などない。魔法は感傷ではなくユーモアにより何倍にも輝くものだ。





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