ワイルドカード

ワイルドカード “Wild Card”

監督:サイモン・ウエスト

出演:ジェイソン・ステイサム、マイケル・アンガラノ、ホープ・デイヴィス、
   マイロ・ヴィンティミリア、ドミニク・ガルシア=ロリド、アン・ヘッシュ、
   ソフィア・ヴェルガラ、スタンリー・トゥッチ

評価:★




 ジェイソン・ステイサム最初の見せ場が悪くない。豪華ホテルの一室。三人の悪漢をアッという間に叩きのめすのはいつものことだけれど、ここがクイックモーションとスローモーションを駆使して、劇画調に処理される。銃など無用とばかりに、己のハゲ頭とキレ味鋭い手足、そしてその辺の雑貨(ここではトランプ)を使って、はい、三丁あがり。やっぱりステイサムの肉体はアクションに映えるのだ。

 問題はこの場面に辿り着くまでに30分以上かかっていること、そしてステイサムがアクションを披露する場面がこのシークエンスを含めてたったの三つしかない点だ。ステイサム映画でアクションを出し惜しみしてどうする。サイモン・ウエストが監督で、何故。

 『ワイルドカード』はそう、どういうわけだか、ドラマ寄りの作りだ。ステイサムは眠らない街ラスヴェガスに、そしてギャンブルにとり憑かれている。悠々自適の暮らしを夢見ながら、街の用心棒として小銭を稼いで生きている。心の弱さを強調したキャラクター設定。ステイサムが悩む。ステイサムがウォッカ片手に眉間にシワを寄せる。ステイサムが有り金を全て摩ってしまってため息をつく。

 この画が陶酔にしか見えない。あぁ、またやっちまったぜ。俺はバカな男さ。でも仕方ねぇ。俺はこの街に惚れちまってんだからな。…みたいな。もちろんこの画が辛い。ステイサムからアクションを取り除くと、タコ頭のオッサンしか残らない。陶酔でも笑えるのなら良い。でもここにあるのは哀れでしかないそれだ。

 アクションの代わりに用意されるのは、ギャンブル場面だ。ブラックジャックで勝負に出る様が長々描かれる。俺、ここで勝ったら一生安泰だぜ!態度はクールを装いながら、もう少しで手に入る大金に興奮を抑え切れないステイサム。いや、ホント、アクションがないと競馬やパチンコにいそいそ出かけるオッサンと大差ない。これを「これぞ男の生き様だ」として見せるのは、どうなのか。

 動きのない画が多いと、演出の悪趣味が際立つ。人の身体が残酷に刻まれる様が、どろっとした血が生々しく流れる様が、人の命がゲームのように消えていく様が、不快だ。現実性を意識したわけではない。カッコイイものとして提示される。マイケル・アンガラノ扮する若造ギャンブラーの立ち位置は全くの意味不明。何から何までズレた映画だ。





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