ANNIE アニー

ANNIE アニー “Annie”

監督:ウィル・グラック

出演:クヮヴェンジャネ・ウォレス、ジェイミー・フォックス、ローズ・バーン、
   キャメロン・ディアス、ボビー・カナヴェイル、デヴィッド・ザヤス、
   アドウェール・アキノエ=アグバエ、マイケル・J・フォックス、
   パトリシア・クラークソン、アシュトン・カッチャー、ミラ・クニス、リアーナ

評価:★★




 21世紀版『ANNIE アニー』は大恐慌時代から現代へと舞台が移されているものの、大筋は変わらない。幼いときレストランの前に捨てられた10歳の少女が、大富豪と出会う物語。毎度危険な設定だと思う。子どもの健気さに寄りかかった感動の押しつけを、本物のそれだと勘違いしやすい。ところが、その点は明るくクリアされる。少女がなかなか生意気でカラッとしているし、孤児が集まる施設を中心に受ける仕打ちにも陰湿さは感じない。

 ところが、見せ方が巧くないのだ。富豪が携帯会社の社長に設定されていたり、彼と少女が住むアパートの最上階が現代的なアイテムで占められていたり、終盤のアクション場面でインターネットが活用されたり、とにかく現代性を前面に出すものの、強調が過ぎたのか、かえって古臭く見える。それに引っ張られるように、物語が持つ普遍性もまた、新味なく映る。ニューヨークに魔法がかからない。

 ミュージカル場面もダメだ。歌える役者がジェイミー・フォックスしか出てないのも問題だけれど、何より演出がチープだ。一応ダンスらしきものが出てくるものの、機嫌が良い人が身体を揺らしているだけにしか見えないし、それをごまかすために編集で画を次々繋いでいくのがくだらないの何の。なんちゃってミュージカルでしかないものを、なぜここまで堂々と見せられるのか。

 思うに、美意識が欠けているのだろう。美しさに打たれる画面が全く出てこない。施設は汚いだけだし、高級アパートの内装は味気ないだけ。金持ちと貧乏人の暮らしを対比させる前に、その場所場所ならではの暮らしの匂いに惹きつけられるものがなく、「良い話」が見せられる傍から腐り始めている。

 ただ、ひとつだけ間違っていない。クヮヴェンジャネ・ウォレスの起用だ。歌唱力は音楽の時間の授業参観みたいだし、ダンスの見せ場もない。けれど彼女の場合、身体から発散されるヴァイタリティが嘘臭くない。チャカ・カーンに勝負を挑めそうな爆発ヘアは伊達じゃない。めそめそいじいじを頼もしく拒絶し、同情は要らないとばかりに下は向かない。歌場面以外でのフォックスとの掛け合いを見ると良く分かる。子役臭をさっさと削ぎ落とし、ひとりの人間としてニューヨークに立つ。

 紋切り型を突破できないとは言え、その他のキャラクターにも気が遣われる中(ローズ・バーンが儲け役)、施設の「母」を演じるキャメロン・ディアスが気の毒以外の何物でもない。美味しい悪役だからと張り切ったのがいけなかったのか、やさぐれ方がハマり過ぎて笑えないのだ。酷い言葉を吐けば吐くほど、若さに固執した化粧をすればするほど、男に色目を使えば使うほど、役柄ではなくディアス本人が可哀想に見えてくる悲劇。終幕、キャラクターが突然良い人になるのも、何かの冗談としか思ない唐突さで、ディアスの演技アプローチが悪かったのかと勘繰ってしまう。ミュージカル場面は予想以上に酷い。もう少しうまく補正できそうなものなのに、何故。本当はもっと酷かったとか? 





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