ジャッジ 裁かれる判事

ジャッジ 裁かれる判事 “The Judge”

監督:デヴィッド・ドブキン

出演:ロバート・ダウニー・ジュニア、ロバート・デュヴァル、
   ヴェラ・ファーミガ、ヴィンセント・ドノフリオ、ジェレミー・ストロング、
   ダックス・シェパード、ビリー・ボブ・ソーントン、レイトン・ミースター、
   ケン・ハワード、エマ・トレンブレイ、バルサザール・ゲティ

評価:★★




 都会でやり手弁護士として活躍するロバート・ダウニー・ジュニアが、母の葬儀のため田舎へ帰郷する。そこで待ち受けるのが、ダウニー・ジュニア曰く「ピカソの絵みたいな家族」で、中でも父ロバート・デュヴァルとの関係はよろしくない。その上父は、轢き逃げ事件で裁判にかけられる。父と息子は裁判の過程で、その関係を修復できるだろうか。

 『ジャッジ 裁かれる判事』は定石通りの展開を見せるものの、演技合戦が愉快なので画面から目を逸らせない。ヴィンセント・ドノフリオやビリー・ボブ・ソーントンら脇を固める俳優も充実しているけれど、やはりダウニー・ジュニアとデュヴァル、Wロバートの激突こそ見ものだ。最初はあからさまな衝突を避けていたふたりが、徐々に己の本音を晒していく。

 Wロバートはどちらも、威勢の良い言葉を吐き出しながらも、実に哀しそうな目をしていて、それが毛穴に沁みる。切っても切れない、憎みたくても憎めない、簡単ではない親子の絆。それに縋りたいのにできない、男というイキモノの面倒臭いところが、Wロバートの掛け合いにちらつく。それだけで十分だ。

 …とまとめたいところだけれど、残念、上映時間2時間20分は辛い。デヴィッド・ドブキンは他作品でも明らかなように、本筋とは直接関係のない脇道への寄り道が多く、ここでも彼方此方に愛想を振りまくのに忙しい。ダウニー・ジュニアとヴェラ・ファーミガ扮する元恋人の再会、彼女の娘の父親の謎、深まるばかりの離婚問題に愛娘との貴重な時間…。余計なところに首を突っ込んで話を間延びさせる。

 おかげで裁判場面がピリッとしない。敏腕のはずのダウニー・ジュニアが案外簡単に脆さを出したり、決して嘘をつくことはしないデュヴァルの性格が裁判のクライマックスで思ったほどに効果を上げなかったり、ダウニー・ジュニアの経験不足のアシスタント、兄や弟がいる設定が活かされなかったり…いずれも裁判の足を引っ張る。そもそも肝心の事件の輪郭がぼやけている。

 厳格な父の侵した罪、それを描くならば、人が「倫理観」として掲げるものに揺さぶりをかける度胸が欲しい。「法律では許されない。しかし…」と思わず考え込んでしまうような、そう例えばクリント・イーストウッド監督が「ミリオンダラー・ベイビー」(04年)や「グラン・トリノ」(08年)で見せた苛烈さに悠然と立ち向かう佇まいが、決定的に不足しているのだ。





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