スパイ・レジェンド

スパイ・レジェンド “The November Man”

監督:ロジャー・ドナルドソン

出演:ピアース・ブロスナン、オルガ・キュリレンコ、
   ルーク・ブレイシー、イライザ・テイラー、カテリーナ・スコーソン、
   ビル・スミトロヴィッチ、ウィル・パットン

評価:★★




 「007/ダイ・アナザー・デイ」は2002年の映画だから、もう10年以上経つ。以来久々にピアース・ブロスナンがエージェントを演じる。これは危険だ。その間、イーサン・ハントとジェイソン・ボーンが活躍の場を広げ、ジェームズ・ボンドは引き継いだダニエル・クレイグが新たなイメージを打ち出した。今更ブロスナンがスパイに扮してもパロディにしか見えないのではないか。

 不安は的中する。『スパイ・レジェンド』でブロスナンが演じるピーター・デヴェローには、ハントのような優秀な仲間も、ボーンのような速さも、新星ボンドのような野獣性や高級感もなく、過去のキャラクターの焼き直しにしか見えない。花盛りのスパイたちの中で、個性が薄いのだ。彼が追いかけるロシアを絡めた謎も新味は薄い。

 とは言えブロスナン、還暦を迎えても身体が良く動くのには感心する。腹回りのだぶつき(を隠そうとするカメラワークが可笑しい)に目を瞑れば、手足は錆びていないし、銃を構える姿もキマる。アクションにおいて重要な下半身も重たくない。痛々しさを感じさせないままに物語を突っ切る。相変わらずのにやけた立ち居振る舞いはブロスナンの売りだから仕方ない。

 でも、デヴェローの好感度はもう少し何とかならなかったか。プロフェッショナルな男ゆえの非情さということなのだろうけれど、簡単に人を殺し過ぎる。子どもが巻き添えで死ぬのを苦々しく見るショットを冒頭に用意しながら、気遣いが足りない。全くの無関係の人間を平気で傷つけて病院送りにするのも気持ちが悪い。

 デヴェローの部下役で出てくるルーク・ブレイシーとの対比は見どころのひとつだろう。ところが、ブロスナンがブレイシーを先回りして笑い飛ばす展開の繰り返し、実力差が大き過ぎてサスペンスが生まれない。せっかくクリス・ヘムズワースを思わせるブレイシーが奮闘しているのに勿体ない。ブロスナンに気を配るばかりで、ブレイシーの恋人や、彼の恩師ブロスナンに対する想い等が、全くフォローされないのも解せないところだ。

 ヒロインのオルガ・キュリレンコは美しく撮られている。素が整っている人だと分かるメイク。中盤、ボディコンシャスなドレスを着て赤毛のボブにしたスタイルも見もので、そうかキュリレンコはハイテク機器が飛び交うSFが似合うのではないかと気がついた。「オブリビオン」(13年)も悪くなかった。アクション場面で見せる走りがどん臭いのも可愛らしい。





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