怪盗グルーの月泥棒 3D

怪盗グルーの月泥棒 3D “Despicable Me”

監督:クリス・ルノー、ピアー・コフィン

声の出演:スティーヴ・カレル、ジェイソン・シーゲル、ラッセル・ブランド、
   ジュリー・アンドリュース、ウィル・アーネット、クリステン・ウィグ、
   ミランダ・コスグローブ、デイナ・ゲイアー、エルシー・フィッシャー

評価:★★★




 怪盗グルーの家には黄色い生き物がわんさかいて、ちょこまか動き回っている。人の指のような形をしていて、目はひとつだったりふたつだったり。常にゴーグルを装着して、服はいつだってサロペット。「ミニオン」という名前をつけられた彼らは、バナナを基にして生まれたのだという。グルーのアシスタントとして活躍する彼らが、なんだか妙に可愛いから驚いた。子ども向けのキャラクターだと承知しつつ、でもやっぱり可愛い。シュールな匂いが良い味わいになっているからだろうか。「チャーリーとチョコレート工場」(05年)に出てきても違和感がないような存在。

 『怪盗グルーの月泥棒 3D』はアニメーション映画らしく、細部のぶっ飛び方が面白い。グルー愛用の大型車のデザインが楽しいし、ドラえもんの道具のようなアイテムもほのぼの。ちょっとした毒が振り撒かれているのポイントで、それが顕著なのがグルー邸だ。外観のほの暗さからして嬉しいけれど、内装がもっと見もの。パンダやワニを使った家具が出てきて思わずギョッとする。キッチュな魅力があるのだ。これを実写でやったら多分、ティム・バートンやギレルモ・デル・トロでもない限り、単なる悪趣味になってしまうだろう。アニメーションというフィルターにかけることで、マイルドな味つけを実現している。

 そもそもグルーの容姿が素晴らしい。卵形の胴体に細長い手足。顔は平たくて、でも鼻はキツツキのくちばしのように長い。完全なる漫画的デザインで、でもだからこそ安心して観ていられる。ストライプのストールを巻く場面もあって、これがまたなかなか似合っていた。重要キャラクターである孤児三姉妹より可愛いかもしれない。それは問題か。

 怪盗というぐらいだから、当然物を盗む。それが“月”というのが良いじゃないか。スケールが大きくて、ロマンが感じられる。ライヴァルの怪盗がピラミッドを盗むという掴みもイイ。美術品や宝石といった高級品をちまちま盗むというのとは違う大らかさが、うん、これまたアニメーション的面白さを発散している。

 ただ、3D映像に関してはさほど効果的とは思えなかった。あまりにも3Dを意識した構図を連発されても困ってしまうけれど、いちばん良くできた映像がエンドクレジットに流れるミニオンたちというのは、ちょっと拙いだろう。せめて遊園地で遊ぶ件、月を盗む件くらいは、もうちょっとアイデアを注ぎ込んで欲しかった。

 それから話の方にはもっと重大なウィークポイントがある。グルーと三姉妹の距離が縮んでいく過程がとても弱いのだ。姉妹の孤児という設定自体に若干のあざとさがあるのだから、より気を遣わないといけないはずだろう(「ヒックとドラゴン」(10年)は少年とドラゴンの距離の描き方がとても上手だった)。グルーが怪盗になってしまった過去のシーンも、もうひとつ話に上手く組み込められなかった感。このあたり、子ども向きだからとちょっとナメたような気配がなきにしもあらず、である。でもまあ、悪い気分になるような映画ではないけれど。





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