マップ・トゥ・ザ・スターズ

マップ・トゥ・ザ・スターズ “Maps to the Stars”

監督:デヴィッド・クローネンバーグ

出演:ジョン・キューザック、ジュリアン・ムーア、ミア・ワシコウスカ、
   オリヴィア・ウィリアムス、サラ・ガドン、エヴァン・バード、
   ロバート・パティンソン、ジャスティン・ケリー、ニーアム・ウィルソン、
   エミリア・マッカーシー、キャリー・フィッシャー

出演:★★




 舞台は映画の都、ハリウッド。そこで悪夢という名の迷宮に迷い込む人々が描かれる。しかも監督はデヴィッド・クローネンバーグだ。…と来れば、新たなる「サンセット大通り」(50年)か、或いは第二の「マルホランド・ドライブ」(01年)か…と期待するのは健全な流れ。それなのに一向に悪夢が広がらない。流行りの「機能不全の家族の物語」として、こじんまり膝を抱える。

 クローネンバーグはハリウッドを笑い飛ばす。裏表のある人々。日常的なセラピーやマッサージ。物を言う金。生意気な子役。人気の凋落。広がるドラッグ。枕営業。リメイクの量産。ステージママ。傲慢が許され、むしろそうでなければ生き残れない現実。けれどコレ、別に今更の話でもあり、なぜクローネンバーグが取り上げるのか、それが浮上しなければ意味がない。魑魅魍魎の世界はどこ。

 いや、ダークな展開はある。典型的なハリウッドファミリーに見えた家族の裏に潜む狂気や栄光に縋る斜陽の女優の振る舞い。「アリス」の帰還と彼女の秘密。ところが、どれもこれもパロディの域を出ない。情念や妄執と結びつかない。毒が薄い。

 それは例えば、ジュリアン・ムーア演じる落ち目の二世女優の描写に表れる。若くして焼死した母を持つ女。その母の代表作のリメイクへの出演を勝ち取るために(もちろん母と同じ役)なりふり構わず突っ走る、情緒不安定な女。彼女のカリカチュアされた言動は愉快だし、ムーアの振り切れた演技も最高。けれど、彼女の抱える悪夢は決して画面を覆うことをしない。彼女はアリスの心に火をつける道具でしかない。

 亡霊が出てくる。過去の遺産にとり憑かれながら生きる映画界を示唆した展開だろうけれど、さほど面白くない。唐突な見せ方でギョッとさせるのみで、ハリウッドの幻影としての存在を感じ取るには奥行きに乏しい。あくまでパロディのひとつにしか見えないのだ。

 なお、機能不全の家族の物語としてはギャグ以上のものが見当たらぬ。それもこれも悪夢の曖昧な立ち位置とパロディの羅列のためだ。設定以上の厄介さが感じられないまま、悪夢は終わりを告げる。悪夢を名乗るのが恥ずかしいのではないかと察する。





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