ニューヨークの巴里夫

ニューヨークの巴里夫 “Casse-tête chinois”

監督:セドリック・クラピッシュ

出演:ロマン・デュリス、オドレイ・トトゥ、セシル・ドゥ・フランス、
   ケリー・ライリー、サンドリーヌ・ホルト、マルゴー・マンサール、
   パブロ・ミュニエ=ジャコブ、フロール・ボナヴェントゥーラ、
   ブノワ・ジャコー、リー・ジュン・リー

評価:★★




 思わず考え込む。「ビフォア」シリーズ(95、04、13年)のリチャード・リンクレイターと『ニューヨークの巴里夫』のセドリック・クラピッシュの違いはどこにあるのだろう。『巴里夫』は「スパニッシュ・アパートメント」(01年)「ロシアン・ドールズ」(05年)に続いてロマン・デュリス演じるグザヴィエを主人公にしたドラマで、相も変わらず、彼は人生にもがいている。ある種の人間は成長しない…なんてセリフが何かの映画に出てきたけれど、グザヴィエはまさにそれだ。なるほど真実だと感じつつ、でもどこか引っ掛かる。

 思うに人は、成長はしなくても変わる。年齢や場所の変化、積み上がる経験、人間関係の移ろいが…意識をせずとも人を変える。成長とは無関係だ。そしてそれが時間の経過と共鳴を見せるとき、周りの空気が動く。リンクレイターはそれを見逃さず、クラピッシュは気づかない。

 斯くしてこの映画は、単に登場人物に歳を取らせ、子どもを授けただけで、同じことを繰り返すに留まる。懸命に生きている。歯を食いしばっている。なのに上手く行かないことばかりだとベソをかき、それでも進んでいく人生、何とかなるサ。四十路が近づいてもグザヴィエや周りの女たちは青いまま。これが現実と受け入れるだけでは、映画として、それもシリーズ物としてさすがに芸がないのではないか。

 …となるとクラピッシュの演出が、若干鼻につき始める。スローモーションや紙を用いたストップモーション、分割画面に動く写真、突然の妄想に仮装。若々しい感性に見えたものが、もはや子どもっぽい。

 ニューヨークが舞台になっているのに、現地人との絡みが全然出てこないのも退屈だ。チャイナタウンと永住権絡みで中国系の人々が顔を見せるものの、本筋とはほとんど関係ないまま終わる。代わりにお馴染みのキャラクターが相次いでニューヨークへやって来て、仲間内だけで話を転がす。

 一作目から12年、当然役者は歳を取る。変わらないと思っていた彼らも、うん、見較べるとそれなりに老けたことが分かる。それこそが最も現実感を伴う部分だ。そしてそれは演じる俳優の人生が物を言っているに過ぎない。デュリスは何時の時代も楽しい佇まいなのだけど…。





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