ザ・ホスト 美しき侵略者

ザ・ホスト 美しき侵略者 “The Host”

監督:アンドリュー・ニコル

出演:シアーシャ・ローナン、ジェイク・アベル、マックス・アイアンズ、
   フランシス・フィッシャー、チャンドラー・カンタベリー、
   ダイアン・クルーガー、ウィリアム・ハート、ボイド・ホルブルック、
   スコット・ローレンス、スティーヴン・ライダー、エミリー・ブラウニング

評価:★




 宇宙から来たその生命体は「ソウル」と呼ばれる。人間の身体を乗っ取り、寄生して生きる。身体を奪われた人間はどうなるか。目の色が変わるのだ。カラー・コンタクトレンズを装着するのだ。たったそれだけなのだ。特別な能力を得るわけでも、最先端の乗り物を運転するわけでも、思いがけない弱点ができるわけでもない。ナニソレ。

 『ザ・ホスト 美しき侵略者』のやる気のない設定はおそらく、ステファニー・メイヤーの小説と同じなのだろう。メイヤーは「トワイライト」シリーズ(08~12年)の原作者だ。彼女の興味は恋愛以外にない。そしてそれで良いと確信している。それも仕方ない。「ハンガー・ゲーム」(12年)を筆頭にフォロワー作品の多くでも恋愛が漏れなくついてくる。どこの国でもいつの時代でも、三角関係は少女たちの心をくすぐるものらしい。

 シアーシャ・ローナン演じるメラニーはジェイク・ベル、マックス・アイアンズとの三角関係を「複雑」だと形容する。メラニーはワンダという名のソウルに身体を乗っ取られながら必死に抵抗、その結果意識が頭の片隅に残る。その状態でワンダはベルと、メラニーはアイアンズとの恋を温めるのだ。つまり女の身体一体に男の身体二体。見た目は立派な三角関係。確かに複雑!

 ワンダもメラニーも真面目な女の子で、それぞれのお相手としか「仲良く」したくない。そこに葛藤が生まれるわけだ。けれどパッと見た感じ、女が男ふたりに愛されて両手に花状態。女にとっては夢のシチュエーション…なのかもしれない。メラニーの意識が消えたときワンダは言う。メラニーの好きなアイアンズとキスすれば、メラニーが戻ってくるかもしれない。そうしてベルを想いながらもアイアンズとキス。すると、あらヤダ、本当にメラニーが戻ってくるじゃないの。まさかメラニーの焦らし作戦じゃないだろうな。男ふたりも物分かりが良くて、このバカ設定を躊躇いなく受け入れる。喧嘩ぐらいしたらどうだ。

 手掛けたのがアンドリュー・ニコルなのに驚く。「ガタカ」(97年)でSFセンスを使い果たしたか、その世界観が生温いの何の。舞台の大半が砂漠の中というベタさも、共存や友好をテーマにした物語の起伏のなさも、ヒロインが逃げるときの服装がラクダ色のパンツとおばちゃん臭の強いハイヒールなのも、ローナンに稲刈りをさせる画の違和感も…。アクション描写がほとんどないのも、大きなミスだ。

 しかし、最も頭痛を誘うのはローナンの身体にふたつの意識がある、その表現法だ。ワンダを普通に喋らせ、メラニーの心はナレーションで見せる。この芸のなさを、二コルはどうして許せたのだろう。ローナンはほとんど最初からこの状態。つまり勝負は早々に決まっていたのだ。





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