恋するパリのランデヴー

恋するパリのランデヴー “Un bonheur n'arrive jamais seul”

監督:ジェームズ・ユット

出演:ソフィー・マルソー、ガド・エルマレ、モーリス・バルテレミ、
   フランソワ・ベルレアン、ミカエル・アビブル、
   ジュリー=アンヌ・ロス、マーシャ・メリル、
   フランソワ・ヴァンサンテッリ、ロベール・シャルルボワ

評価:★★




 「目覚まし時計と結婚指輪、税金とは無縁」の生活を送る気ままな作曲家が主人公だ。友人と酒とピアノを愛し、ジャズクラブに入り浸り、そこで出会った女たちと一夜限りの情事を楽しむ。ガド・エルマレは別にハンサムというわけではないものの、そういう男がぴったり来る。いかにもパリの匂いを湛えたカフェやアパルトマンにもしっとり馴染む。フランスでは「個性」が物を言う。何て言ったって、ジャン=ポール・ベルモンドを生み出した国なのだ。

 自由な毎日を送る男がソフィー・マルソーに恋をする。若い若いと思っていたマルソーもさすがに顔に疲れが見えてきた。でもそれが面白い。目尻にしわが表れ、垂れ目がますます垂れ、スッピンに近いとスターには見えないかもしれない。けれど、ちゃんと生活の匂いを感じさせる女優になった。『恋するパリのランデヴー』など、三人の子持ち役だ。育児にてんてこ舞い。

 ふたりが恋に落ちる場面があまりにもベタで笑う。雨の中転んだマルソーにエルマレが手を差し伸べる。突然流れ出す音楽。スローモーション。マルソーはずぶ濡れになりながら、飛び切りの笑顔。少女の頃の面影をちらつかせたマルソーはこの場面が最も綺麗に撮られている。大人の男と女ゆえにベタでも何とか踏ん張る。

 ただしこの映画のいちばんの見所は、ロマンス部分にはない。散りばめられる笑いがスラップスティックなもので占められ、とにかくそちらが目に焼きつくのだ。それもそのはず、この場合エルマレが身体を張ると考えるのが普通だけれど、嬉々としてやってのけるのがマルソーの方なのだ。ストールに引っ掛かって地面に顔面を撃ちつけるところから始まり、水たまりで引っ掛けられ、階段から転げ落ち、飛び出してきたシンクが後頭部を直撃、パンツ全開になる。マルソーよ、何か心境の変化でも?

 …と見慣れない光景を楽しんでいると、次第に雲行きが怪しくなる。マルソーの子どもたちが積極的に話に絡み出し、家族愛を前面に出した話へと急カーヴを切るからだ。子どもは愛らしいし、家族も大切なものだ。しかし、それを大々的に掲げると、スピード感が殺される。その罠にハマる。子どもが苦手だったはずのエルマレはアッという間に子ども大好きオジサンだ。

 子どもと言えば、もうひとり、大きな子どもが出てくる。マルソーの別居中の夫がそれだ。権力があることをいいことにエルマレとマルソーの仲を裂くことに懸命になる。思考もやり口も子どもっぽくていけない。安易と言い換えることもできる。せっかく主役男女の相性が良くても、それに見合わない要素が多いと、物語は停滞する。





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