MONSTER モンスター

MONSTER モンスター “Lizzie Borden Took an Ax”

監督:ニック・ゴメス

出演:クリスティーナ・リッチ、クレア・デュヴァル、グレッグ・ヘンリー、
   スティーヴン・マクハティ、サラ・ボッツフォード、ハンナ・アンダーソン、
   ビル・キャンベル、アンドリュー・ギリーズ

評価:★★




 クリスティーナ・リッチほど体型がころころ変わる女優は珍しい。どう考えても作品によって肉体改造をしているわけではない。理想のスタイルがどんな風で、ダイエットをしているのかどうか、なんてことはどうでも良い。注目すべきは、リッチがそのときの体型に見合うように、役柄を作り上げてしまうところだ。演出云々とは離れたところで役が完成される。

 『MONSTER モンスター』撮影時のリッチはガリガリに近い。ぽちゃぽちゃだった過去を感じさせないスキン&ボーンになる手前の肉つきで、とりわけ顔にその傾向が強い。前に張り出した広い額とつんと尖った顎に挟まれる大きな目。顔の皮は骨に隙間なく貼りついているような印象。これで演じるのが、殺人事件の容疑者だ。ハマり過ぎだ。

 容疑者は容疑者でもリジー・ボーデンだ。アメリカの犯罪史に残るその名前は、19世紀後半、父親と義理の母親を殺害した容疑で知られている。果たして彼女は本当に殺人鬼なのだろうか。という謎について真剣に探ろうという気配は感じられない。とにかく最初から怪しいの何の。叫び方が芝居がかっているし、時折ゾッとする表情で立っている。展開によって不気味さはエスカレートする。終いには証拠品のドレスを燃やし、証言は二転三転する。

 問題はそうして立体的になる女性像から、浅はか以外の感想が出てこない点だ。ボーデンが無罪になったことは良く知られている。それこそが謎ではないかと突っ込みたくなる、あからさまな言動の数々。たいした計画もないままに、けれど彼女は超のつくラッキーガール、無罪を勝ち取るのだ。圧倒的に不利に見えた裁判場面は何だったのかと首を傾げるのも当然だ。

 リジー・ボーデン事件は「切り裂きジャック」や「ゾディアック」と並べられる未解決ケース。それに見合うスケールや謎、不条理さが見当たらない。リッチの小さな小さな身体からはみ出す邪悪な妖気に頼るばかりで、演出や脚本の芸に乏しいのが難だ。

 …と落胆していたところに描かれるエピローグ的エピソード。無罪になったボーデンを町の人々がどう見つめるのか、その描写がなかなか面白い。入店を拒否したり場所を移動したりのわざとらしい拒絶反応があれば、本当は人殺しなのにそれを切り抜けた彼女を見世物として眺める反応もある。子どもたちは事件の顛末を歌いながら遊ぶ。それを眺めるリッチの表情よ。こちらを膨らませた方が味わい深かったことは、確実だ。





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