アンダー・ザ・スキン 種の捕食

アンダー・ザ・スキン 種の捕食 “Under the Skin”

監督:ジョナサン・グレイザー

出演:スカーレット・ヨハンソン、ポール・ブラニガン

出演:★★★




 美しい女に化けたエイリアンが男を喰ってしまう。懐かしの「スピーシーズ 種の起源」(95年)を思い出す。ナターシャ・ヘンストリッジが美女を演じた楽しいB級SFホラーだけれど、同じような設定でも、21世紀に入り主演がスカーレット・ヨハンソンとなると、全然雰囲気が違う。ヨハンソンは宇宙から来た異形の美女役で、その性的な魅力を餌に男たちを次々捕まえるものの、作品の外観は何とびっくり、哲学要素を含んだ文芸作風だ。

 『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』が見つめるのは、そう、実は真面目なものなのだ。スコットランドの田舎に降り立った美女は餌を獲得しながら、地球に住むイキモノの営みを目撃、その美醜を肌に沁み込ませていく。無慈悲に残酷に男を喰いながら、僅かに何かを感じ取るエイリアン。真面目ですヨ。

 しかし結局目を引くのはエイリアンの造形で、ヨハンソンがまとうスーパーモデルとは異なるセクシャルな空気が素晴らしい。何と言って肩までウェイヴさせた黒髪が効いている。これはひょっとすると「パルプ・フィクション」(94年)のユマ・サーマン以来の黒髪効果ではなかろうか。オレンジの口紅、ハスキーを思わせるブルーの瞳とのコンビネーションが抜群で、器として用意された無表情も魅力十分。

 ヨハンソンはヌードにも挑む。このとき露になるのがヨハンソンの胴体・手足の短さで、これがエイリアン役にジャストフィット。モデル体型ではない肢体が、かえって艶めかしいの何の。ヨハンソンはこの身体に毛皮のジャケット、ジーンズ、ブーツを組み合わせる。胸元からはピンクのインナーが覗く。なるほど、そりゃ男は選び放題だ。

 注目の捕食シーンはイメージ映像のような処理がなされる。直接的なセックス描写で喰うのではない。ヨハンソンが闇の中で肌を露にしながら誘い、男がそれに引き寄せられていく様を、底なし沼に沈み込んでいくイメージで魅せる。何ともお上品だけれど、もう少しヴァリエーションが欲しかった。ちょいとばかり、気取ってんじゃねーよ!的な感想が…。

 スコットランドの風景が良い。街並みも住宅街も緑も森の中も独特の詩情が感じられる。これがロンドンを舞台にしていたら、別の映画になっていたことだろう。朴訥な街の佇まいが美女エイリアン襲来のとんでも設定を違和感なく受け入れる。器の大きな風景だ。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

blogram投票ボタン
blogram投票ボタン
人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ