デビルズ・ノット

デビルズ・ノット “Devil's Knot”

監督:アトム・エゴヤン

出演:リース・ウィザースプーン、コリン・ファース、デイン・デハーン、
   ミレイユ・イーノス、ブルース・グリーンウッド、イライアス・コティーズ、
   スティーヴン・モイヤー、アレッサンドロ・ニヴォラ、エイミー・ライアン

出演:★★




 1993年、とある田舎で起こった殺人事件が未だ語られ続ける。少年三人が森の中、全裸で縛られた状態で沼の中から発見されるという猟奇性もさることながら、真の解決がなされていないと考える人が多いからだろう。アトム・エゴヤンもそのひとりだ。

 エゴヤンはどんな解釈をするのだろうか。いちばんの興味はそこにあって当然なのだけど、残念、謎を散りばめるだけ散りばめて、放り投げてしまった。この映画からはエゴヤンの事件への思いが見えてこない。既に世に出ている情報を映像として見せることに終始する。思うに、実話であることに気を遣って(批判を恐れて)己の意見を封じるのであれば、最初から実話に手を出すべきではない。これでは再現ドラマ。エゴヤンが何故。

 それでも敢えて好意的に見るなら、メンフィスの田舎の閉鎖性を暴きたかったのだろう。悪魔崇拝やへヴィーメタルがそのまま単純に殺人に結びつけられる町。警察は犯人を置くことに専念し、住人は保身のために嘘をつき、判事も被告の高校生たちが犯人であることを決めてかかる。

 エゴヤンは捜査や裁判がいかに頼りないものだったかを羅列する。あからさまに怪しい動きをする人物を次々登場させ、そのためにクセモノをそこかしこに配置し、その不条理に固執する。浮かぶのは当然フラストレーション。映像としての面白味は(映画として提示する意味は)、どこにある。とりわけ法廷シーンは退屈だ。

 それでも導入部にはゾクゾクしたのだ。少年たちが自転車に乗って森の奥深くに入っていくときのひんやりした空気。闇に繋がっている深い緑。底の見えない息苦しい沼。もしかして少年たちは森そのものに殺されたのではないかと思ってしまう不穏な匂い。

 エゴヤンの使命は、その正体を露にすることだったはずだ。事件が望ましくない解決を見せたことは間違いない。どうしてそうなったのか、関係者の行動は分かっても、何が彼らをそうさせたのかを明らかにしないことには、事件が新しい角度から立ち上がることはないだろう。コリン・ファースやリース・ウィザースプーンと共にもやもやして、それで終わりとは…。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

blogram投票ボタン
blogram投票ボタン
人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ