天才スピヴェット

天才スピヴェット “L'Extravagant voyage du jeune et prodigieux T.S. Spivet”

監督:ジャン=ピエール・ジュネ

出演:カイル・キャトレット、カラム・キース・レニー、
   ヘレナ・ボナム=カーター、ニーアム・ウィルソン、
   ジェイコブ・デイヴィーズ、ジュディ・デイヴィス、ドミニク・ピノン

評価:★★




 相変わらずジャン=ピエール・ジュネは凝り性だ。主人公の少年が暮らすモンタナの田舎の眺めからして、創り込んでいる。黄色と茶色をベースにした景色。赤茶色の壁とモスグリーンの屋根。そして白い窓枠の家。並べられる家具や食器、雑貨がいちいち可愛い。もちろん構図も独特だ。

 けれど『天才スピヴェット』、いつもに較べたらジュネ色は抑えられている方かもしれない。ひとつはアメリカを舞台にしているため(大半はカナダで撮影)。もうひとつは原作が存在するためだ。とりわけ後者の影響は大きいと見る。己の趣味・嗜好より原作を優先させたところが多かったのでは?

 少年は科学の天才で、スミソニアン博物館が絡んだ権威ある賞を受賞する。そのスピーチのためモンタナからワシントンDCへ大陸横断の旅に出る。それが中盤の見せ場だ。大きなスーツケースと母親の日記を抱えての一人旅。色々な人との出会いを機転を利かせながら乗り越えていくのが楽しい。大人たちが少年を変に子ども扱いして甘く見ないのが良い。特にヒッチハイクで乗せてくれた大型トラックのオッサンとの掛け合いが良い。オッサンがヒッチハイカーたちと写真を撮ることにしているのにニヤリ。

 ところがジュネは、旅先の人々ほどに少年を大人扱いしない。実は少年の旅の目的のひとつには、双子の弟の死が絡んでいる。家族の絆とやらを描くために、少年の健気さに焦点を合わせ続けるのだ。これが煩い。

 何しろジュネの世界観と感傷は、とかく相性が良くない。ホラーや毒を効かせた話とは抜群のコンビネーションを見せるのに、感傷と結びつくと甘ったるくていけない。砂糖だらけのケーキ仕様になる。健気な少年の一途な思いが安易に感動にすり替えられる。

 少年を演じるカイル・キャトレットは、実は武道選手権の世界チャンピオンらしい。惜しい。もしかしたら甘い世界に蹴りを入れて穴を開けられそうではないか。何故もっと利用しなかったのか。原作のせい?科学と武道が溶け合わないから?少し前ならフレディ・ハイモアが演じていたに違いなくて、それを避けられたのに、残念無念。





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