サボタージュ

サボタージュ “Sabotage”

監督:デヴィッド・エアー

出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、サム・ワーシントン、
   オリヴィア・ウィリアムス、テレンス・ハワード、ジョー・マンガニエロ、
   ハロルド・ペリノー、マーティン・ドノヴァン、マックス・マーティーニ、
   ジョシュ・ホロウェイ、ミレイユ・イーノス、ケヴィン・ヴァンス、
   マーク・シュレーゲル、モーリス・コンプト、マイケル・モンクス

評価:★★




 アガサ・クリスティの推理小説の中でも人気の高い「そして誰もいなくなった」を下敷きにしているのだという、『サボタージュ』は。登場人物が一人また一人と消えていくところからそう謳ったのだろうけれど、あまりにも無理がある。アーノルド・シュワルツェネッガー、身体が動かないなら頭を動かそう。それを狙って失敗した映画にしか見えない。

 政治家から復帰したシュワルツェネッガーは足腰が弱ったことがあからさまで痛々しい。髪に白いものが多くなったことは関係ない。引きのショットで全身を映したときの老人特有の腰回りのだぶつきと下に伸びた足の貧弱さが問題だ。いくらジムで身体を鍛えている場面を入れようと、上半身の厚みを強調しようと、あぁ、人は誰しも老いには勝てないのだと思い知らされる。クリント・イーストウッドはそれを受け入れた上での佇まいで役柄に挑むから未だに格好良いのだけど…。

 シュワルツェネッガーは身体が動かないからアクション中心の映画は難しいだろう。だからアクションよりもサスペンスの色を濃くした展開が用意される。消えた1,000万ドルの行方と連続殺人の犯人の正体を大きな謎として置き、要所要所でケレンを注ぎ込む。

 そのケレンが銃頼みになるのは仕方がないのか。シュワルツェネッガーと仲間たちは麻薬取締局(DEA)の特殊部隊で、マシンガンを担いで現場に乗り込む。当然のように銃撃戦が始まる。銃弾の数に物を言わせる80年代の匂いが嫌だ。消えていく仲間たちの死体も凄惨を極め、こちらは昨今の猟奇的ホラーの匂いがちらつく。せめて謎解きがそれをカヴァーできないかと期待するも、そちらも特に捻りのない真相で終わる。

 見ものは男よりも女だ。サム・ワーシントンがツルッパゲになってイメージチェンジを図るも、役柄の退屈さもあって特に目立たない。それよりもミレイユ・イーノスとオリヴィア・ウィリアムスが見ものだ。ケバい化粧が似合うイーノスが思い切った役作りで、獣のような女に変身。ロザリオ・ドーソンやミシェル・ロドリゲスが演じそうな怖い女に変身して場をさらう。が、個人的にはウィリアムスを支持したい。ヴェリーショートになったウィリアムスは年連相応に老け込んでシワが目立つ。けれど、それがマイナスにならない。むしろカッコイイ。辛辣なセリフ回しも生きた言葉にする。「シックス・センス」(99年)の頃とは別人のようなイイオンナぶりだ。

 ラスト数分は完全なる蛇足だろう。この展開ならばアンサンブル式に見せる方法もあったろうけれど、どっこいそんなこと、シュワルツェネッガーが許さない。これは「エクスペンダブルズ」(10年)ではない。俺が主役だ。カウボーイハットを被ったシュワルツェネッガーがエゴを爆発させる。スターのナルシシズムが分かりやすい形で表れた。さすがシルヴェスター・スタローンのライヴァルだ。





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