ガンズ&ゴールド

ガンズ&ゴールド “Son of a Gun”

監督:ジュリアス・エイヴァリー

出演:ユアン・マクレガー、ブレントン・スウェイツ、
   アリシア・ヴィキャンデル、ジャセック・コーマン、
   マット・ネイブル、トム・バッジ、デイモン・ヘリマン、
   エディ・バルー、ナッシュ・エドガートン

評価:★★★




 ここ10年ほど注目の金相場と、ここに描かれる犯罪が金塊強盗であることは全くの無関係ではないだろう。強盗一味はしかも、精錬所を襲う。案外映画では取り上げられてこなかったのは、金が採れる場所が限られるからだろうか。『ガンズ&ゴールド』はオーストラリアが舞台だ。

 華麗なる犯罪計画を期待してはいけない。綿密な計画性というものは、最初から放棄されている。手口の紹介は最小限で済まされ、それどころか雑に見える部分が多い。金の重さや溶ける性質等を絡めたトリックが出てきても良さそうなものなのに。

 とは言え、別に見ものとなるものは用意されている。第一にユアン・マクレガー。元々笑顔に狂気を秘めていたマクレガーが、頭の切れる犯罪者を演じる。もうすっかり中年に入っているマクレガーはしかし、未だに洗練とは程遠い佇まい。革ジャンやジーンズ、スニーカーのシーンが多い。髭を生やせばキーファー・サザーランド風だし、引きのショットになるとスタイルの悪さが目につく。それにも関わらず、思い浮かぶ言葉は「カリスマ」というやつだ。

 人は簡単にそれを、円熟の結果だと見るのかもしれない。ただ、マクレガーの身体の中で高速スピードで走る血が、オヤジになった今でも若々しさを発散していることは、もっと気に留めるべきだ。伝説の強盗犯ブレンダンという役は、マクレガーのおかげで古めかしくもモダンな悪役になった。

 マクレガーと実質主人公であるJR役のブレントン・スウェイツが築き上げる師弟関係もツボを押さえている。無垢なものを残した青年が悪に揉まれて大人に近づく…という定番を気持ち良く見せる。20年前のイーサン・ホークを思わせるスウェイツは細くて(胴回りはしっかり)撫で肩。奥目に繊細さが宿る。マクレガーがスウェイツを時に優しく、時にしたたかに、時に乱暴に包み込む。一定の緊張感の源となる。関係ないけれど、スウェイツの役を日本人が演じるなら、永山絢斗がぴったりだと思う。

 オーストラリアの大らかさも見逃せない。人口密度の低い雄大な大地とちっぽけな人間たちによる犯罪の対比が効いている。人が死ねば大地に還っていくような、不思議な空気をまとった風景。燃える車が谷底に落ちていくショットなど、思いがけずミステリアスな味わいが感じられた。





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