ヘラクレス

ヘラクレス “Hercules”

監督:ブレット・ラトナー

出演:ドウェイン・ジョンソン、イアン・マクシェーン、ルーファス・シーウェル、
   ジョセフ・ファインズ、ジョン・ハート、レベッカ・ファーガソン、
   アクセル・ヘニー、イングリッド・ボルゾ・ベルダル、リース・リッチー

評価:★★★




 ギリシャ神話で伝えられるヘラクレスと言えば、「12の難業」が有名。『ヘラクレス』はその内のいくつかをいきなり描き出す。9つの首を持つ大蛇や人食いイノシシ、そして巨大なライオン(獅子)との対決がそれだ。つまりここに描かれるのは、ヘラクレスの、知られざる物語だ。そして、ドウェイン・ジョンソンを通してヘラクレスを描くことが最も重要なポイントになる。

 ジョンソンのヘラクレスはハーフゴッドという設定ではあるものの、ほとんど人間に近い。しかも時代は紀元前という言葉が飛び出すほどに大昔。必然的にアクションはアナログになる。すなわちジョンソンの血管が浮き出るほどの筋肉隆々のボディが存分に生かされるわけだ。ただし、神話の世界でもあるから、アクション映画全盛の80年代、90年代的なケレンがたっぷり振りかけられる。どこか懐かしいのは気のせいではないだろう。

 ユーモアが忘れられない。脇のキャラクターも笑いを誘うものの、何と言っても、ジョンソンの愛敬がその源になっている。もう少しで落ち武者になりそうな長髪を意外にも馴染ませ(ニコラス・ケイジやジェイソン・ステイサムとはそこが違う)、戦いに対してシヴィアな姿勢を貫き、妻子を亡くす辛い過去に苦悩しても、それでもなお隠せないジョンソンのチャーム。獅子の頭をフード代わりにするスタイルが似合い過ぎる。

 ジョンソンの場合、ユーモアは自然発生されると考えるのが妥当で、おそらく本人はそれを意識していない。アクション場面はそれに集中している。得な個性だ。パッと見はいかつい顔、そして迫力が過剰に前面に出た肉体。そこに漂うユーモアを包み込むもの。それを人はカリスマ性と呼ぶ。

 ジョンソンを中心にしたアクションは自前の身体を用いることを基本に、棍棒や弓矢、盾に鞭、馬が入り乱れる。けれど、雑な印象はさほどない。人海戦術を見せる中盤の闘いこそ、戦士の実力不足ゆえに雑なところが目立つものの、次第に優雅さに接近した美をまとい始める。

 そう、実はこの映画、ヘラクレスを主人公にしながら、アンサンブル色が強い話運びになっている。ヘラクレスが桃太郎式に集めた仲間たちは個性豊かで(ややゴレンジャー風)、敵側も陰影に富む。それぞれにしっかり見せ場を用意する余裕も見せる。ルーファス・シーウェルが久しぶりに善玉で輝き、イアン・マクシェーンは茶目っ気を爆発させ、ジョセフ・ファインズは出番は僅かでも出てくるだけで可笑しいオーヴァーアクションで突っ走る。

 意外な隠し味になっているのは、物語構造に適度な捻りが加えられていることだ。目指すは、神話の解体と再構築。ヘラクレスの辿ってきた道を(描くことはなくとも)念入りに探り、最強の戦士として恐れられる男の本質を炙り出していく。だらだらと触れられたらくどくなるところをあっさり切り上げる手際の良さで、あくまでメインはアクションだと承知した描き方なのが良い。





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