イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所

イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所 “If I Stay”

監督:R・J・カトラー

出演:クロエ・グレース・モレッツ、ジェイミー・ブラックリー、
   ミレイユ・イーノス、ジョシュア・レナード、
   リアナ・リベラト、ステイシー・キーチ

評価:★★★




 チェロを生き甲斐にしている女子高生が、父母弟と一緒に乗った車で交通事故に遭う。幽体離脱した状態で、彼女は生死の境を彷徨う。自分以外は死んでしまった。生き延びたところで辛いだけではないか。病院で処置を受ける自分を眺めながら、彼女は己を振り返る。…こんな展開は彼女が助かるのかどうかなんて、考えなくても分かるというものだ。

 でも、『イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所』において、それはたいした問題ではない。ヒロインの生死のドラマは、プレゼントが詰め込まれた箱に過ぎない。重要なのはプレゼント。ここで言うプレゼントはクロエ・グレース・モレッツで、そう、これはモレッツを愛でるアイドル映画なのだ。

 思い返せば、これまでモレッツは異形の少女ばかりを演じてきた。コスプレの殺し屋から始まり、ヴァンパイアにオオカミ少女、最近ではサイキックガールまで演じた。それが今回、どこにでもいる普通の女の子役だ。今の興味はチェロと恋人のアダム、そしてジュリアード音楽院の合否通知だ。つまり素のモレッツを眺める気分が味わえる。可愛い。これ、重要。

 チェロを弾く姿がとても綺麗で、若干の色気まで漂わせているのに注目だ。自分の身体と同じくらい大きなその楽器は、曲線が艶めかしく、そこに少女の指が絡むと、何ともまあ独特の匂いが立ち上がる。モレッツならなおさらだ。ジュリアード音楽院の実技試験の際の演奏など、深いグリーンのドレスがドラマティックで、うーん、チェロ話をメインに別の映画ができそうだ。

 けれど、生き霊モレッツによる回想場面の主役となるのは、恋するモレッツの姿だろう。ロックバンドでヴォーカルとギターを担当する年上男と恋に落ち、「好き過ぎて、夜も眠れないわ」とまで言っちゃうのだ。見せ場はキスシーンで、モレッツの初々しさがキュートに支えている。それに気づいた作り手は、何度もキスシーンを作るお調子のこきようだ。夜をベッドで一緒に過ごしたことを示すカットもあるものの、直接的なセックス場面がないのは、ちょっとホッとしたりして。相手役の冴えない男優のワカメヘアがとても残念だ。

 ところで、ここに描かれるモレッツ・ファミリーは良い人ばかりだ。父ちゃんが夢を諦めた真実には胸が熱くなるし、奔放なママの友達のような佇まいも魅力的。弟は天使のように可愛らしく、じいちゃんが眠るモレッツにかける言葉は狙い通りと承知しつつ泣かされる。友達は溌剌としていて、恋人は一途。何ともまあ、恵まれた環境のモレッツなのだ。事故後の世界との落差を狙ったのか。幸福な時代に翳りを忍ばすことができていたら、プレゼントの箱も少しは輝けたかもしれない。





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