荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて

荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて “A Million Ways to Die in the West”

監督・出演:セス・マクファーレン

出演:シャーリズ・セロン、アマンダ・セイフライド、ジョヴァンニ・リビージ、
   ニール・パトリック・ハリス、サラ・シルヴァーマン、リーアム・ニーソン、
   ユアン・マクレガー、ジョン・マイケル・ヒギンズ、ビル・マー、
   ジェイミー・フォックス、ライアン・レイノルズ、パトリック・スチュワート

評価:★★★




 セス・マクファーレンの名前を世界に轟かせたのはもちろん「テッド」(12年)で、だから彼が西部劇を撮ると言って、昔ながらの渋いそれになるわけがない。何しろ30秒に一回の割合で投入されるのは、360度全方位、完全なる下ネタだ。クマのぬいぐるみの愛らしさが望めない分、嫌悪感を抱く人も相当数に上ると思われる。

 下ネタと言ってもマクファーレンの場合、大分ドライに処理される。ケイシー・アフレックを横に広げたような優しい顔立ちで、各パーツが全体的に下がり気味なのが下ネタ特有のベタつきを抑えるのだろうか。本人もそれを自覚しての(?)「主演」に踏み切る。実はハンサムの部類に入るマクファーレンを愛嬌があると受け入れられるかどうかは、彼の下ネタを受け入れられるかどうかと同義だ。多分。

 『荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて』において、話は重要ではない。マクファーレンが力を入れるのは、西部開拓時代の苛烈さだ。映画を通してだと過剰にクールに描かれがちな世界を笑い飛ばす、それに賭けている。教科書はメル・ブルックス?下ネタを装飾に使うのだ。必然的に付随する脱力感も狙い通りだろう。

 その笑いは意外にも間口が広い。過激に飛ばしても心根の優しさは隠せない。愚かでもくだらなくても下品でも、そこに刺々しさは見当たらない。本当は棘を巧妙に隠しているだけなのだけど、だからこそ豪華な面子が心の警戒の糸を解いて、ほとんど素じゃないかと思わせる笑いを弾けさせる。アドリブもかなり多いはずだ。

 マクファーレンは職権濫用、アマンダ・セイフライドにフラれてシャーリズ・セロンに接近するという夢のような設定を獲得。舞踏場面でのセロンが本来の美しさを発揮できていないのは無念だけれど、それでも美女であることは間違いない(セロンは普段の西部の女スタイルの方が断然キマる)。どちらも目の保養になる。しかし、それよりも感心するのはセロンの夫で悪名高き賊役のリーアム・ニーソンだ。

 暴走オヤジ映画の数々で証明するように老け込みとは無縁で、ガタイが良く、素晴らしく西部の風景に溶け込んでいて、早い話、カッコイイのだ。ハットもガンも馬も、全てがニーソンを愛する。早急に西部劇版暴走オヤジ映画を撮るべきだ。何ならマクファーレンが監督でも良い。それはさすがに嫌だろうけど。

 それにしても西部の風景にはホッとする。下ネタ塗れの中で、無駄に美しい。そうそう、馬に乗ってのレースが展開されるあるカットで、遠くに高層ビル群と思しきものが映った。狙いなのだろうか。





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