ミリオンダラー・アーム

ミリオンダラー・アーム “Million Dollar Arm”

監督:クレイグ・ギレスピー

出演:ジョン・ハム、スラージ・シャルマ、マドゥル・ミッタル、
   ピトバシュ、アーシフ・マンドヴィ、レイク・ベル、
   ビル・パクストン、アラン・アーキン

評価:★★★




 スーザン・ボイルが英国のオーディション番組で注目された頃、インドから初めての大リーガーがふたり生まれた。その裏側では何が起こっていたのかを描く『ミリオンダラー・アーム』は、それほど良く出来た映画ではない。ディズニーらしく行儀良くまとめられているものの刺激は足りず、話はサクセスストーリーの雛型通りに進み、山の作り方は生温く、何より2時間を超える上映時間はこの内容では長過ぎる。

 中でもジョン・ハム(TVだと感じないのに、佇まいも演技もベン・アフレック風)演じるスポーツ・エージェントに関するエピソードは締まりがない。ふたりを10億人の中から見出した重要人物であることは間違いないものの、はっきり言って、彼や会社の台所事情や恋愛、精神的成長なんて、特に面白くはない。

 けれど、この映画は憎めない。欠点の多くをインドパワーがカヴァーするからだ。特にインドが舞台になる前半は愉快だ。ポイントはアメリカを通したインドになっていることで、おかげで濃くなり過ぎることのない、ちょうど良い塩梅。インドの生活描写に関してはインド人が怒らないか心配してしまうけれど、それでも不快さから免れる。前向きさが溢れる空気で吹き飛ばすためだ。まあ、ディズニー的強引さと言えなくもない。

 もちろんインドパワーを象徴するのはインドの若者ふたりだ。「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」(12年)から少し経って精悍さを増したスラージ・シャルマ、ブルーノ・マーズにインドテイストを加えた印象のマドゥル・ミッタル。どちらも無邪気さや純真さに嫌味がなく、伸び伸びしている。ふたりのパーソナリティの描き分けが慎重になされていたなら、なお良かった。

 ふたりの世話係をやってのけるインド青年に光が当てられていたのはディズニーの良心の表れか。コメディリリーフとして良いアクセント。そしてそれだけに終わることなく、最後に用意されるプレゼントも、分かっちゃいるけどついホロり。しかし…本当に彼とスポーツ・エージェントとの出会いは、あんな風だったんだろうか。だとしたら、これもまた奇跡。

 だから思うのは、ハムには悪いけれど、インド青年たちに絞った物語にするべきだったのではないか、変に傑作「ザ・エージェント」(96年)を意識しなくても良かったのではないか、ということだ。素直にインドパワーで押し切れば良かったのだ。大マケにマケて、青年たちとスポーツ・エージェントに割く割合を逆転させても良い。表舞台で輝く者だけが主役ではないと承知しつつ、そう思う。





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