パンドラム

パンドラム “Pandorum”

監督:クリスチャン・アルヴァルト

出演:デニス・クエイド、ベン・フォスター、キャム・ギガンデット
   アンチュ・トラウェ、カン・リー、エディ・ローズ、ノーマン・リーダス、
   アンドレ・ヘンニック、フリーデリッケ・ペンプター

評価:★★




 タイトルになっている『パンドラム』とは、宇宙空間で強烈な孤独を感じて精神を病んでしまうことだという。早い話が気が狂ってしまうのだ。序盤で不自然にその説明がなされる。…となると、どうやらパンドラムになってしまう、或いは既にパンドラムになっている者がいるだろうと読める、いや読めてしまう。主人公ふたりは記憶がないのがそれにトドメを刺す。案の定終幕はそれがサスペンスの軸になるのだけれど、映画、とりわけSF映画というジャンルではよく見られる展開で、衝撃と呼べるようなものはほとんどない。ちゅーか、じゃあなぜカプセルの中に入っていたのか。辻褄はどうでもいいか。パンドラムだからなんでもありか。

 尤も、中盤ではパンドラム云々については全く気にする必要はない。サスペンスの大半は「暗がりに人間ではない何かがいる。何が何でも生き延びよ!」というヤツで、例を挙げればキリがないほどに、使い古しの展開だ。それでもあえて類似作品を指摘するなら、ニール・マーシャル監督の「ディセント」(06年)が近いだろうか。とにかく画面が暗いのである。

 宇宙船内部ではほとんど電気が通っていなくて、その上迷路のように入り組んでいる。それはほとんど巨大な密室。そこにバケモノがいる。作り手も光を排除した画面作りを大いに意識していることは明白で、赤や青、緑といった分かりやすい色を時折挟むことで緩急をつけようとしている。ただ、こういうのはその美学が強固なものでないと、簡単にはノレないものだ。暗がりで見え難くても、何が起こっているのかを伝える、それをベースに画面を作り上げていかないと、ただの見え辛い映像でしかない。そうなると当然、観ている方はストレスがたまるばかりなり。

 バケモノの造形にも工夫は見当たらない。妖怪人間ベム風の表情で、獲物を見つけたら一直線、その生身の身体を食い散らかす。変種のゾンビのような流行のヴァンパイアのような…。何も考えなしに襲い掛かってくるあたり、もう少し知恵をつけて戦いを挑めと説教したくなる。

 ほとんど何もしないデニス・クエイドよりも身体を張って奮闘するベン・フォスターは、なぜだかウエンツ瑛士風。ウエンツを寄り目にしたら、そのままフォスターが出来上がるかもしれない。観ている最中にそんなことを考えてしまうほどに余裕のあるSFスリラーなのである。





blogram投票ボタン

ブログパーツ

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ